医療用医薬品の風邪薬の中で高い頻度で処方されるのがPL配合顆粒です。

風邪で病院を受診した際に処方された経験のある方も多いのではないでしょうか。

ドラッグストアでも

「PL配合顆粒を飲んでいたけど同じような風邪薬はある?」

といった質問を受けるケースがよくあります。

2017年8月に病院で処方されるPL配合顆粒と同じ成分が配合された「パイロンPL顆粒」がシオノギヘルスケアから発売されました。

ちなみにPL配合顆粒はシオノギ製薬が販売しており、シオノギヘルスケアは市販薬に特化したシオノギ製薬のグループ会社です。

つまり、PL配合顆粒の市販薬バージョンとして発売されたのが「パイロンPL顆粒」です。

医療用医薬品のPL配合顆粒との違い、パイロンPL顆粒服用時の注意点について解説していきます。

有効成分配合量の違い・作用機序

配合されている有効成分は全く同じですが、市販のパイロンPL顆粒は、医療用医薬品のPL配合顆粒に比べて、1包あたりに含まれる成分量が4/5(0.8)倍と少なくなっています。

成分名PL
医療用医薬品
1包1g中
パイロン
市販薬
1包0.8g中
サリチルアミド
解熱鎮痛
270216
アセトアミノフェン
解熱鎮痛
150120
無水カフェイン6048
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩
鼻水
13.510.8

(単位 mg)

医療用医薬品のPL配合顆粒は1包あたり1gですが、市販のパイロンPL顆粒は1包あたり0.8gとなっており1gに換算すると実は医療用と全く同じ量が配合されているのです。

サリチルアミドの作用機序

サリチルアミドは非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)と呼ばれ、熱や痛みの原因となるプロスタグランジンPGE2)の生成を抑えることで、熱や痛みを抑えます。

アセトアミノフェンの作用機序

アセトアミノフェンは末梢血管を拡張させ、体の水分を移動させることで発汗させ熱を下げます

また痛みを感じにくくする働きもあります。

無水カフェインの作用機序

PLに含まれるプロメタジンメチレンジサリチル酸塩が眠気の副作用がでるため、カフェインを入れることで眠気を軽減させます。

またカフェインは脳の血管を収縮させる働きもあり頭痛を和らげる働きもあります。

プロメタジンメチレンジサリチル酸塩の作用機序

プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗ヒスタミン薬と呼ばれ鼻水を抑える働きがあります。

ヒスタミン受容体にヒスタミンが結合すると鼻水やくしゃみがでるのですが、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩はヒスタミン受容体にヒスタミンが結合するのをブロックし鼻水を抑えます。

効能・効果

パイロンPL顆粒(市販薬)
かぜの諸症状(のどの痛み、発熱、鼻みず、鼻づまり、くしゃみ、悪寒(発熱によるさむけ)、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

PL配合顆粒(医療用医薬品)
感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和
鼻汁,鼻閉,咽・喉頭痛,頭痛,関節痛,筋肉痛,発熱

飲み方(用法・用量)

パイロンPL顆粒(市販薬)
15歳以上:1回0.8gを1日3回
15歳未満:服用しない

PL配合顆粒(医療用医薬品)
成人には1回1gを1日4回

お酒(アルコール)との併用

パイロンPL顆粒を服用前後にお酒を飲むと眠気やふらつきが強く現れることがあります。
パイロンPL顆粒を服用中はお酒(アルコール)は避けるようにしましょう。

車の運転は避ける

パイロンPL顆粒に含まれるプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は「眠気」の副作用が現れることがあるため「車の運転は避けること」とされています。