「風邪でのどだけが痛い」
「のどが赤く腫れている」
「眠気の副作用がない喉に効く薬が欲しい」

このような時に薬局やドラッグストアでオススメされる市販薬がペラックT錠です。

ペラックT錠は、「のどの炎症」を抑える目的で病院で処方されるトランサミン錠(成分:トラネキサム酸)がメインの有効成分として配合されています。

ペラックT錠がどのように効果を示すのか作用機序と、市販薬との飲み合わせについて解説していきます。

有効成分・作用機序

ペラックT錠1日分(6錠中)に含まれる有効成分は下記のとおりです。

成分名1日量
mg
働き
トラネキサム酸750炎症・痛み改善
カンゾウ乾燥エキス198炎症・アレルギー抑える
ピリドキシン塩酸塩
ビタミンB6
50皮膚・粘膜を正常にする
リボフラビン
ビタミンB2
12皮膚・粘膜を正常にする
L-アスコルビン酸Na
ビタミンC
500皮膚・粘膜を正常にする

 

トラネキサム酸作用機序

ペラックT錠のメインの有効成分はトラネキサム酸です。

トラネキサム酸は抗プラスミン薬といわれ、プラスミンの働きを抑える作用があります。

プラスミンには炎症を誘発させるキニンという物質を遊離したり、血管の透過性を亢進させる働きがあります。

そのためプラスミンの働きを抑えることで、炎症や腫れ、痛みを抑えることができると考えられています。

トラネキサム酸は抗炎症作用だけでなく、止血作用があることから止血剤や、美白作用もあることから肝斑治療薬としても使用されることがあります。

美白作用のメカニズムは下記にまとめています。

トランサミン(トラネキサム酸)がシミ・美白・肝斑に効く作用機序(メカニズム)

カンゾウの作用機序

カンゾウ(甘草)は生薬の一つでカンゾウの中のグリチルリチン酸が炎症を抑える働きがあります。

カンゾウは葛根湯にも含まれています。

ビタミンB2・B6・Cの作用

ペラックT錠にはビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCが配合されています。

皮膚や粘膜を正常にする作用があることから、のどの粘膜炎症の改善を助ける作用があります。

ロキソニン(ロキソプロフェン)併用・飲み合わせ

「ペラックT錠とロキソニン(ロキソプロフェン)を一緒に飲んでいい?」

薬局で相談を受けることがあります。

ペラックTとロキソニンの併用について、薬学的な観点からの飲み合わせは問題ありません。

間隔をあけることなく、同時に服用しても効果が減弱したり増強することはありません。

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葛根湯との併用・飲み合わせ

「ペラックTと葛根湯の飲み合わせは大丈夫?」

薬局で聞かれることがある質問です。

ペラックTと葛根湯には生薬であるカンゾウ(甘草)が重複しています。

カンゾウの過剰摂取で偽アルドステロン症が起こる可能性があります。

ペラックTと葛根湯を通常量で併用する場合はカンゾウは1日上限にまで達しませんが、他の漢方薬を併用する場合などカンゾウの過剰摂取には要注意です。

また腎機能が低下した場合などでは、たとえ通常量であっても副作用が起こりやすくなります。

念のため葛根湯と併用する場合は、薬剤師にその時の体の状態などを伝え、飲み合わせの相談をすることをオススメします。

偽アルドステロン症については薬剤師向けの記事ですが、こちらに詳しくまとめられています。

甘草(グリチルリチン)の1日量上限は?偽アルドステロン症の発症機序

飲み合わせの悪い市販薬は?

ペラックT錠と飲み合わせの悪い市販薬ですが、

トラネキサム酸が入った市販薬は避けるようにしてください。

トラネキサム酸は咳止めや総合感冒薬、肝斑治療薬に含まれています。

また葛根湯との併用でも記載しているカンゾウが入ったものは、薬剤師に相談して併用することをオススメします。

ペラックTは眠気でる?車の運転は?

ペラックT錠は眠気のでる成分は含まれていません。
そのため車の運転の注意書きなどもありません。