関節リウマチに処方される薬がアザルフィジンEN錠(一般名:サラゾスルファピリジン腸溶錠)です。
関節リウマチの治療には疾患修飾性(読み方:しっかんしゅうしょくせい)抗リウマチ薬、「disease modifying anti-rheumatic drug」=「DMARD(読み方:ディーマード)」 が使用されます。
DMARDは免疫反応を調整したり抑制することで関節の炎症や破壊を抑制します。
DMARDは「免疫調整薬」と「免疫抑制薬」の大きく2つに分類されます。
アザルフィジンENは「免疫調整薬」に分類されます。
アザルフィジンENについて、薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめました。
ジェネリック医薬品との違い
アザルフィジンEN錠には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
- サラゾスルファピリジン腸溶錠「CH」
- サラゾスルファピリジン腸溶錠「SN」
- サラゾスルファピリジン腸溶錠「テバ」
- サラゾスルファピリジン腸溶錠「日医工」
先発品に比べ添加物に違いはありますが、有効成分と効能・効果はまったく同じです。
効果がでるまでの時間
アザルフィジンENは免疫異常を正常に近づけていく作用がありますので、効果が得られるまで1〜2ヵ月かかることがあります。
即効性があるわけではありませんので、「効かない」からといって中断はしないようにしてください。
粉砕・半錠はできる?錠剤が大きくて飲みにくい場合
アザルフィジンEN(サラゾスルファピリジン腸溶錠)は胃の副作用を防止するため腸で溶けるようにコーティングされています。
そのため半分に割ったり、砕いたりして服用はできません。
500mgが大きくて飲み込みにくい場合は、250mgのものを2錠に変えてもらうことをオススメします。
飲み忘れた場合の対応は?
通常は飲み忘れた場合はとばして次回から正しい量で服用するようにされています。
主治医から特別指示がある場合は、そちらに従うようにしましょう。
妊娠中・授乳中の服用
製薬メーカーの説明書には妊婦には「投与しないことが望ましい」とされています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[本剤の動物実験では催奇形作用は認められていないが、他のサルファ剤(スルファメトピラジン等)では催奇形作用が認められている。また本剤の代謝物の胎盤通過により、新生児に高ビリルビン血症を起こすことがある。]
引用元 アザルフィジンEN錠添付文書
日本の製薬メーカーの添付文書は無難な書き方が多いため、妊婦への処方について臨床現場では海外の基準を参考にするケースが多くあります。
海外のオーストラリア基準では最も安全の「A」に位置付けられています。
そのため妊娠を希望する際にリウマトレックス(メトトレキサート)からアザルフィジンに切り替わるケースもあります。
授乳中は母乳に移行するため「授乳を中止すること」となっています。
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。母乳中に移行し、乳児に血便又は血性下痢があらわれたとの報告がある。
引用元 アザルフィジンEN錠添付文書
出産1週間後の母体血清及び母乳中濃度を測定した。その結果、サラゾスルファピリジン及び総スルファピリジンは母乳中へ移行し、母乳中濃度はそれぞれ血清中濃度の約30%、約50%であった。
引用元 アザルフィジンEN錠 インタビューフォーム