関節リウマチに使用される薬がプレディニン(成分名:ミゾリビン)です。

プレディニン

出典 旭化成ファーマ


ミゾリビンは糸状菌の培養液から発見されたお薬です。

元々は「腎移植における拒否反応の抑制」で効能・効果をとり、その後「ループス腎炎」「関節リウマチ」に適応を取得しました。

プレディニンについて作用機序や特徴をまとめました。

作用機序(メカニズム)

プレディニン(ミゾリビン)は過剰な免疫を抑えることで、リウマチの活動をコントロールします。

プレディニン(ミゾリビン)は核酸の合成を阻害することにより、免疫に関わるリンパ球の増殖を抑制し、結果的に過剰な免疫を抑えることができます。

プレディニンはステロイド?プレドニンとの違い

プレディニンはプレドニンのようなステロイド薬ではありません。

プレディニンはDMARD(ディーマード)と呼ばれる抗リウマチ剤です。

ステロイドは抗炎症作用と免疫抑制作用を持ちますが、DMARDには抗炎症作用はありません。

DMARDは過剰な免疫を抑えることでリウマチ(RA)の活動をコントロールします。

プレドニンなどのステロイド薬は速効性がありますが、プレディニンのようなDMARDは効果の発現までに2~3ヵ月を要します。

副作用

プレディニンの副作用の一覧は下記の通りです。

 

 0.1 ~ 5%未満0.1%未満頻度不明
腎臓腎機能異常(蛋白尿、血尿、BUN、クレアチニンの上昇等)  
肝臓肝機能異常(AST(GOT)ALT(GPT)ALP、LDH、c-GTP、LAP、ビリルビンの上昇等)  
消化器食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、便秘、口内炎、舌炎腹部膨満感、軟便、舌苔 
過敏症発疹、そう痒感、発熱  
代謝異常尿酸値の上昇、ALP 上昇 痛風
皮膚脱毛  
精神神経めまい、頭痛、味覚異常、しびれ眠気、耳鳴、四肢異常知覚 
その他全身倦怠感、浮腫、口渇ガンマグロブリン低
下、動悸、悪寒、ほてり、月経異常、胸痛
眼球充血

 

重大な副作用として、骨髄機能抑制2.19%(123 例)、感染症1.32%(74 例)、急性腎不全0.04%(2例)、肝機能障害・黄疸1.74%(98例)、消化管潰瘍・消化管出血・消化管穿孔0.39%(22例)、高血糖・糖尿病0.11%(6例)がある。また、頻度は不明だが間質性肺炎、重篤な皮膚障害、膵炎の報告がある。

引用元 プレディニンインタビューフォーム

リウマチ専門医の指導の下、治療される場合はこれらの重大な副作用について注意深く観察してくれますので、心配はないかと思いますが、発熱や咳が続く、発疹がでたなどの自覚症状がある場合は主治医に相談するようにしましょう。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんには「使用禁忌(きんき)」といってプレディニンは使用できないとされています。

催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。

引用元 プレディニンインタビューフォーム

授乳中についても、製薬メーカーの資料では「授乳を中止すること」となっています。

授乳中の投与に関する安全性は確立していないので、授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。

引用元 プレディニンインタビューフォーム

OD錠(口腔崩壊錠)が発売

口の中で溶ける口腔崩壊錠のプレディニンOD錠が2017年1月に発売されました。

薬価や効能・効果は錠剤タイプとまったく同じとなっています。