統合失調症や躁病、うつ、神経症による鎮静や催眠を目的に処方されるのがベゲタミン錠です。

ベゲタミンにはAとBという2つの種類があり薬局では

「ベゲタミンAとBの違いは?」
「効果がある時間は?」
「ベゲタミンで太る?」

という質問を受けることがあります。

薬局で聞かれる質問を中心にベゲタミンについてまとめてみました。

ベゲタミンAとベゲタミンBの違い

ベゲタミンAは赤色の錠剤、ベゲタミンBは白色の錠剤です。

それぞれに入っている成分の量について記載したいと思います。

 成分名ベゲタミンAベゲタミンB
クロルプロマジン塩酸塩25 mg12.5 mg
プロメタジン塩酸塩12.5 mg12.5 mg
フェノバルビタール40 mg30 mg

ベゲタミンAはBに比べて鎮静作用のあるクロルプロマジンとフェノバルビタールの量が多く入っています。

ベゲタミンの効果

うつ病・うつ状態
ベゲタミンA 配合錠またはB配合錠を1日3~5錠を2~5週間で中等度改善以上の改善率は53.8%であった

神経症
ベゲタミンA配合錠を1日3~5錠、またはB配合錠を1日1~5錠投与日数は6~40日で中等度改善以上の改善率は81.8%であった。

ベゲタミンの効果がでる時間

ベゲタミン単独ではデータがないため3成分のそれぞれの効果が出る時間について記載します。

クロルプロマジン塩酸塩
抗精神病作用
定常血漿中濃度に達するのは約4~7 日。最大効果があらわれるまでに約6週間~6ヵ月を要することがある。 

鎮静・催眠作用
服用して2時間以内に効果がでる。

プロメタジン塩酸塩
服用して15~60分以内に効果がでる。 

フェノバルビタール
フェノバルビタールを服用させた6ヵ月以上3歳未満の乳幼児において4 時間以内に大半がピークに近い血中濃度となった。

ベゲタミンの効く時間(作用時間)

ベゲタミンでのデータがないため各成分について記載します。

クロルプロマジン塩酸塩:10時間以内
プロメタジン塩酸塩:経口投与後4~12時間
フェノバルビタール:血中半減期は37~133時間で維持は長時間

※半減期とは薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間のこと

ベゲタミンの副作用で太る?

頻度は不明の確率となっていますがベゲタミンで「体重増加」の副作用が報告されています。体重増加の理由はベゲタミンの成分であるクロルプロマジンが脳のヒスタミン受容体(H1受容体)を遮断することで体脂肪の利用が抑制されてしまいます。そのため食べる量が同じなのに体重が増えてしまうのです。