うつや社会不安障害に処方される薬がレクサプロ（成分名：エスシタロプラムシュウ酸塩）です。
レクサプロは選択的セロトニン再取り込み阻害剤（SSRI）に分類され、脳内のセロトニンを上昇させることでうつ症状を緩和します。
レクサプロが初めて処方された患者さんから相談される内容に
「飲み始めてお腹がムカムカする」
「食欲がなくなった」
「吐き気がひどい・・・」
といった消化器症状があります。
レクサプロの消化器症状について、
なぜ起こるのか？
どのように予防したらいいのか？
普段患者さんに説明する内容をまとめてみました。
レクサプロ（SSRI）で吐き気や悪心が起こる理由
レクサプロで吐き気や悪心が起こる原因は大きく２つがあります。
セロトニンが直接嘔吐中枢を刺激
レクサプロはセロトニンの量を増やす作用あるのですが、セロトニンの量が増えることで、脳内にある嘔吐中枢を直接刺激して吐き気がでると考えられています。
セロトニンが消化管を刺激（5HT3受容体）
消化管にはセロトニンが結びつく5HT3受容体という場所があります。
レクサプロは消化管でもセロトニンを増やすことで、セロトニンが5HT3に結合し、むかつきや吐き気、食欲がなくなるといった症状がでてしまいます。
吐き気・悪心の副作用は２週間ほどの期間で軽減
レクサプロなどのSSRIの消化器症状は、一般的に服用直後が最も強く現れ、次第に軽くなっていくといわれています。
具体的には1～2週間ほどで軽減するといわれていますので、軽い場合は自己判断で中止をしないようにしましょう。
我慢できないくらいひどい場合は、遠慮せずに主治医にお伝えください。他のSSRIに変更されたり、消化器症状を抑える薬が処方されることがあります。
吐き気・むかつきを抑える飲み方
空腹時に服用すると、悪心・吐き気など消化器症状が強くでてしまいますので、極力何か食べて服用してください。
消化器症状をより抑えるためにも、コップ1杯くらいの多めの水で服用するのがよいでしょう。
