口内炎や口角炎、舌炎などビタミンB2不足の際に処方されるビタミン剤がフラビタン錠です。

フラビタン錠について作用機序や特徴、薬局で患者さんから聞かれる質問についてまとめました。

有効成分はFAD

フラビタンの有効成分は「フラビンアデニンジヌクレオチド」で「FAD」とも呼ばれます。
体の中でビタミンB2の大部分はFADとして存在します。

フラビタンにはFADが5mgと10mg入った2つの規格が存在します。

作用機序(メカニズム)

フラビタン(FAD)は糖質、脂質、たん白質等の代謝に関与する酵素の働きを助ける補酵素として関与しています。

ビタミンB2の大部分は体内でFADとして存在するのですが、体内のFADが欠乏すると口角炎や舌炎、皮膚炎など粘膜や皮膚の障害がでてしまいます。

効能・効果

フラビタンの効能・効果です。
下記の疾患の時のみが保険での処方対象になります。

1.ビタミン B2 欠乏症の予防及び治療
2.ビタミン B2 の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時など)
3.下記疾患のうち、ビタミン B2 の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される
場合
○口角炎、口唇炎、舌炎、口内炎
○肛門周囲及び陰部びらん
○急・慢性湿疹、脂漏性湿疹
○ペラグラ
○尋常性痤瘡、酒さ
○日光皮膚炎
○結膜炎
○びまん性表層角膜炎、角膜部周擁充血、角膜脈管新生

ジェネリック医薬品(FAD・ワカデニン)との違い

フラビタンには薬価の安いジェネリック医薬品が販売されています。

  • FAD錠「ツルハラ」
  • ワカデニン腸溶錠

先発品に比べて添加物に違いはありますが有効成分や効能・効果は同じです。

ハイボン(リボフラビン)との違い

ビタミンB2製剤にハイボン錠(一般名:酪酸リボフラビン)があります。

リボフラビンが効果を発揮するには小腸や肝臓でリン酸リボフラビン(FMN:フラビンモノヌクレオチド)を経てFADに分解されなければいけません。

つまりハイボン錠(一般名:酪酸リボフラビン)は体内でFADに分解される必要がありますが、フラビタンはFADそのものですのでダイレクトに効果を発揮できるのです。

尿(おしっこ)が黄色に変色する?

フラビタンを服用するとおしっこが黄色に変色することがあります。
そのため尿検査がある場合は事前に服用していることを伝えるようにしましょう。

妊娠・授乳中の服用

フラビタンは妊婦さんや授乳中でも安全に服用のできる薬と考えられます。