口内炎やニキビなどビタミンB6不足が原因の時に処方されるのがピドキサール錠です。

ピドキサール錠について作用機序や特徴についてまとめました。

ビタミンB6の種類・有効成分

ビタミンB6には下記の3つをさします。

  • ピリドキシン(PIN)
  • ピリドキサール(PAL)
  • ピリドキサミン(PAM)

ピリドキサール(PAL)は体の中でピリドキサールリン酸エステル水和物に変化して効果を発揮します。

ピドキサール錠には「ピリドキサールリン酸エステル水和物」が有効成分として入っており、10mg,20mg,30mgの3つの規格が存在します。

作用機序(メカニズム)

ビタミンB6はたんぱく質、炭水化物、脂質が代謝される時の酵素を助ける「補酵素」として関与します。

ビタミンB6は体内で「ピリドキサールリン酸エステル」に変換されて効果を発揮します。

ビタミンB6が不足すると口内炎や舌炎、ニキビ・湿疹などの粘膜や皮膚の障害や、神経の障害がでてきてしまいます。

ピドキサール錠は「ピリドキサールリン酸エステル」としてビタミンB6不足を補うことで皮膚や神経の障害を改善する作用があります。

効能・効果

ピドキサールの効能・効果は下記のとおりです。
下記の疾患の場合のみ保険での処方の対象となります。

○下記疾患のうち、ビタミン B6 の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
口角炎、口唇炎、舌炎、口内炎、急・慢性湿疹、脂漏性湿疹、接触皮膚炎、アトピー皮膚炎、 尋常性ざ瘡、末梢神経炎、放射線障害(宿酔)

○ビタミン B6の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)

○ビタミン B6依存症(ビタミン B6反応性貧血等)

○ビタミン B6欠乏症の予防及び治療

 

妊娠中のつわり(悪阻)にも処方される?

ビドキサールは妊娠中のつわり時に処方されることがあります。

つわりによって食事からビタミンB6が十分に摂れなくなる可能性があるためビタミンB6を補給する目的があります。

結核治療薬のイソニアジド(イスコチン)との併用

結核治療薬のイソニアジド(商品名:イスコチン)を服用するとビタミンB6の働きが抑えられてしまうため、ビタミンB6不足による末梢神経障害が起こってしまいます。

ビタミンB6は効果を発揮するために「リン酸化」される必要があるのですが、イソニアジドはビタミンB6がリン酸化されるのを防いでしまいます。

そのため結核薬を投与する場合にリン酸化されたビタミンB6製剤であるピドキサール錠を併用するケースが多くあります。

ジェネリック医薬品との違い

ピドキサール錠には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。

  • ピリドキサール錠「イセイ」10mg,30mg
  • リボビックス錠10mg,20mg,30mg
  • リン酸ピリドキサール錠30mg(小林化工)

先発医薬品に比べて添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じです。

噛んだり・粉砕して服用はダメ!

ピドキサール錠は腸で薬が溶けるように作られていますので、噛んだり割ったり、粉砕して服用してはいけません。