アクネ菌やブドウ球菌が原因となるニキビやとびひなどの皮膚感染症に効果がある塗り薬がアクアチムクリーム(成分名:ナジフロキサシン)です。
アクアチムはアクネ菌やブドウ球菌の複製を阻害することで殺菌作用のある抗生物質です。
アクアチムにはクリームの他に軟膏、ローションの3つのタイプがあります。
「アクアチムの使い方・塗り方は?」
「ヘルペスに使える?」
「ディフェリンやベピオゲルとの併用は?」
といった薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめてみました。
アクアチムの効能・効果
アクアチムクリームは表在性皮膚感染、深在性皮膚感染、化膿しているざ瘡(ニキビ)の3つに適応があります。
またアクアチム軟膏・アクアチムローションが使用できる疾患は下記のようになっています。
表在性皮膚感染症
アクアチムクリーム・アクアチム軟膏
深在性皮膚感染症
アクアチムクリーム・アクアチム軟膏
ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) ニキビのこと
アクアチムクリーム・アクアチムローション
塗り方・使い方
軟膏・クリーム・ローションどれも1日2回で使用します。
ニキビの場合のみ洗顔後に塗るようにとなっていますが、ニキビに限らず使用する場合は入浴後や洗顔後がオススメです。
水虫・ヘルペスに使用できる?
アクアチムはアクネ菌とブドウ球菌のみに適応があります。
水虫の原因菌となる真菌や、陰部や口唇ヘルペスの原因となるヘルペスウイルスを抑える効果はありません。
ヘルペス部位の2次感染時や2次感染予防を目的でアクアチムが処方されることはありますが、ヘルペスウイルスには効果はありません。
ディフェリンゲルの併用・順番
ニキビの治療薬であるディフェリンゲルと同時に処方された場合は、ディフェリンゲルを先に塗った後、アクアチムを塗ることが推奨されています。
ディフェリンゲルを先に使う理由
ディフェリンは化膿の有無に関わらずニキビ全体に塗ることができますが、アクアチムは化膿しているニキビだけに使用します。
つまり塗る面積がディフェリン>アクアチムとなりますので先にディフェリンゲルを塗って乾いた後にアクアチムを塗る事が推奨されています。
ベピオゲルの併用・順番
BPO製剤のベピオゲルとアクアチムクリームが併用されることがあります。
医師から特別指示がなければベピオゲルを先に塗ることが推奨されています。
理由はディフェリンゲルの併用と同じで、ベピオゲルはニキビ全体に塗りますがアクアチムクリームは化膿のあるニキビにスポットで使用します。
先にアクアチムクリームを使用するとベピオゲルによってアクアチムが塗らなくていい場所まで広げられてしまうため、先にベピオゲルを使用することが推奨されています。
妊娠・授乳中の使用
妊娠中のアクアチムの使用ですが製薬メーカーの説明書では下記の記載があります。
アクアチムは妊婦または妊娠している可能性のある方に使用経験は少ないため、妊娠中に使用に関する安全性は確立していない。
引用元 アクアチムインタビューフォーム
となっています。
しかし実際の現場では処方される機会がありますが最低限の使用に抑えるようにしましょう。
授乳中については説明書(添付文書)に注意書きはなく「授乳を続けてもOK」と指導されるケースがあります。
しかし、妊娠中や授乳中の場合は家にあるアクアチムを自己判断で使用しないようにしましょう。
アクアチムクリームのジェネリック医薬品は?
アクアチムクリームには薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
- ナジフロキサシンクリーム1%「トーワ」
- ナジフロクリーム1%
添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じです。
市販薬はある?
アクアチムの有効成分であるナジフロキサシンが入った市販薬は販売されていません。
効果が鋭く、間違って使用すると耐性菌が出現することがありますので、医療機関での診察が必要になる薬です。
アクアチムについて薬局で患者さんに聞かれる質問をまとめました。
ボクもニキビの際はアクアチムクリームを処方してもらって使用します。
ニキビの場合は耐性菌を防ぐためにも4週間使用して効果がなければ中止しなければいけません。
アクアチムのことで他に質問がありましたら下記の質問ボックスよりコメントいただけると幸いです。