こんにちは。
現役薬剤師Yu(ユー)です。
ものもらいなどの感染症に処方される目薬がクラビット点眼液です。
薬局で質問を受ける内容をまとめました。
クラビット点眼液を使用される方の疑問を少しでも解決できると幸いです。
0.5%と1.5%の違い
クラビット点眼液は0.5%と1.5%の2つの規格があります。
有効成分であるレボフロキサシンの濃度に違いがあります。
規格 | 有効成分 |
---|---|
0.5% | 1mL中レボフロキサシン水和物5mg含有 |
1.5% | 1mL中レボフロキサシン水和物15mg含有 |
効能・効果
クラビット点眼液の効能・効果です。
0.5%も1.5%も違いはありません。
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッ カス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター 属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、 ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、 ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌
<適応症>
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法
ジェネリック医薬品との違い
クラビット点眼液には薬価の安いジェネリック医薬品が「レボフロキサシン点眼液+メーカー名」の名前で販売されています。
先発品と添加物に違いはありますが、効能・効果や有効成分はまったく同じとなっています。
コンタクトレンズの上からの使用
クラビット点眼液には防腐剤のベンザルコニウム塩化物が入っていないためソフトコンタクトレンズ装着時におこる角膜障害の危険性はないと考えられます。
しかし、コンタクトレンズによって治療の妨げになる可能性もありますのでハード、ソフト関わらず外して点眼した方が効果的でしょう。
点眼して5分が経過すればコンタクトを装着して問題ないと通常は指導されます。
しかし、クラビット点眼液のような抗菌薬を使用するということは細菌に感染していることになりますので、
治療中はコンタクトレンズ自体の装着は避けた方が目には負担にならないでしょう。
妊娠・授乳中の使用
妊婦さんへは「治療上の有益性が危険性を上回る場合に処方OK」となっています。
なお動物実験などでクラビットを内服した場合に催奇形性は報告されていません。
目薬の場合、全身に吸収される量はごくわずかのため、大きな問題がないことがほとんどですが、主治医から処方された時のみ使用するようにしましょう。
また授乳中についての注意書きが添付文書になく、「授乳を続けて問題ない」と指導されるケースがあります。
妊娠中や授乳中に使用する場合、体に吸収されるのを極力抑えるために点眼後は数分間目を閉じて目頭(涙囊部)を押さえるようにしましょう。
開封後の期限
クラビット点眼液は防腐剤は入っていませんが、適正に保管しておけば開封後1ヶ月は使用することができます。
1ヶ月を過ぎた場合は廃棄するようにしましょう。
他の目薬との併用
フルメトロン点眼液などのステロイド薬や、パタノール点眼液などの抗アレルギー薬と併用されることがあります。
目薬が併用された時は間隔を5分あければ問題ありません。
フルメトロン点眼液のような「懸濁性」の目薬は最後点眼するのが望ましいとされています。
「懸濁性」かどうか分からない場合は、「よく振って使用してください」と説明されたものを最後に使用するようにしましょう。
市販薬はある?
クラビット点眼の有効成分であるレボフロキサシンが入った抗菌薬の市販薬は販売されていません。
クラビット点眼液について薬局で指導する内容や質問内容をまとめました。
もし点眼後に苦味を感じる場合は、点眼後に目を閉じて涙囊部(目と鼻の間)を2〜3分押さえてみてください。
クラビット点眼液に関する質問は下記の質問ボックスから受付ています。お気軽にコメントいただけると幸いです。