気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)に処方される吸入薬がシムビコートタービュヘイラーです。
シムビコートについて特徴や使い方についてまとめました。
有効成分(ステロイド+LABA)
有効成分 | 1回量 |
---|---|
ブデソニド ステロイド | 160μg |
ホルモテロールフマル酸塩水和物 β2刺激(気管支拡張) | 4.5μg |
シムビコートにはステロイドのブデソニドと、長時間作用型β2刺激薬(LABA)であるホルモテロールが配合された吸入薬です。
作用機序(メカニズム)
シムビコートは気管支の炎症を抑え、気管支を長時間広げる作用があります。
気管支喘息患者さんの気管支は炎症がおこり、気管が狭くなっています。
シムビコートに含まれるブデソニドはステロイド薬で気管支の炎症を抑えます。
ホルモテロールは気管支平滑筋にあるβ2受容体という部分を刺激することで、狭くなった気管支を広げる作用があります。
気管支や肺にピンポイントで吸入することにより、全身の副作用を軽減することが吸入薬のメリットです。
使い方(最初)
シムビコートが処方されたら初回(開封した時)のみ、準備操作を行います。
容器をまっすぐに立て、下側の回転グリップを左右に回し「カチっ」と音を3回鳴らします。
これで準備操作は完了です。
使い方・吸入方法
- 容器をまっすぐにし、下側の回転グリップを「右」に回します。
- 下側の回転グリップを「左」に回し「カチっ」と音がすれば1回分の吸入がセットされます。
- 下側の回転グリップを持って、息をしっかり吐いた後、口にくわえて力強く吸い込みます。
- 2回吸入の際は1〜3を繰り返します。
- 吸入が終わったらそのままキャップを閉めます。
- うがいを必ず行います。
吸入の際は吸入器の本体でなく下側の回転グリップを持って吸入するようにしてください。
うがいをする理由・方法
シムビコートを吸入した後は、口の中を「クチュクチュ」、のどを「ガラガラ」10秒2回ずつうがいを行えば十分と考えられます。
うがいをする理由ですが、ステロイドは免疫を抑える作用がありますので、口の中に薬が残ると口の中でカビがはえたり、感染症が起こりやすくなるからです。
うがいの方法については主治医や薬剤師からの指示に従うようにしてください。
吸った感じがしない?
シムビコートの1回分の吸入薬は少量の粉薬です。
そのため吸った感覚がしないかもしれませんが、カウンターが0でない限り薬はしっかり出ていますので問題ありません。
維持療法の用法・用量
通常は1回1吸入を1日2回。
MAX1回4吸入まで可能。
発作時の使い方・吸入可能回数
1吸入行い、数分経過しても発作が持続する場合にさらに1吸入。
1回の発作で6吸入まで可能。
1日最大吸入回数
通常は維持療法と発作時の吸入回数が合計8吸入までですが、医師の指示で一時的に12吸入まで可能。