慢性気管支炎や肺気腫といった慢性閉塞性肺疾患(COPD)で狭くなった気道を広げるための吸入薬がオーキシス吸入薬です。

有効成分・LABA

オーキシスの有効成分はホルモテロールフマル酸塩水和物で1回あたり9μgの量が放出されます。

ホルモテロールは長時間作用型β2刺激薬とよばれる気管支拡張薬で「long acting β2 agonist」の頭文字をとってLABA(読み方:ラバ)と呼ばれます。

作用機序(メカニズム)

オーキシスの有効成分であるホルモテロールは慢性気管支炎や肺気腫によって狭くなった気道を広げる作用があります。

ここからは少し専門的なお話になります。

気管支の平滑筋にはアドレナリンβ2受容体というのが存在します。

アドレナリンβ2受容体が刺激されると気管支平滑筋が弛緩し気管支が拡張します。

オーキシス(ホルモテロール)はアドレナリンβ2受容体を刺激することで気管支を拡張し、息苦しさなどを緩和します。

使い方(最初)

オーキシスが処方されたら初回(開封した時)のみ、準備操作を行います。

容器をまっすぐに立て、下側の回転グリップを左右に回し「カチっ」と音を3回鳴らします。

これで準備操作は完了です。

吸入方法

  1. 容器をまっすぐにし、下側の回転グリップを「右」に回します。
  2. 下側の回転グリップを「左」に回し「カチっ」と音がすれば1回分の吸入がセットされます。
  3. 下側の回転グリップを持って、息をしっかり吐いた後、口にくわえて力強く吸い込みます。
  4. 吸入が終わったらそのままキャップを閉めます。

吸入の際は吸入器の本体でなく下側の回転グリップを持って吸入するようにしてください

またマウスピースを加えた時に息を吐かないように注意しましょう。

うがいは必要?

オーキシスはステロイド薬ではありませんので、吸入後のうがいの必要はありません。

しかし薬剤師によっては口の中に薬が残るのを防ぐためにうがいをするように指導されるケースもあります。

うがいをする時は口の中を「クチュクチュ」、のどを「ガラガラ」10秒2回ずつ行えば十分と考えられます。

主治医や薬剤師からの指示に従うようにしてください。

手入れ方法・水洗いはOK

週に1〜2回、乾燥したティッシュや布でマウスピースの外側を拭く程度で十分です。
水洗いは避けてください。

効果発現時間・持続時間

オーキシス(ホルモテロール)は吸入後5分で効果が発現し、12時間効果が持続します。
そのため通常は1日2回吸入します。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんについて製薬メーカーの説明書(添付文書)では「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること」とされています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 [ホルモテロール3mg/kg/日あるいは15mg/kg/日の経口投与により、ラット母動物では、着床数の減少及び吸収胚数並びに出生児損失の増加がみられ、同腹児数及び同腹児重量が低下した。]

引用元 オーキシス添付文書

授乳中についても添付文書上では「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与」となっています。

授乳中の婦人に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 (ホルモテロールはラット乳汁への移行が報告されている)

引用元 オーキシス添付文書