僕がドラッグストアで薬剤師をしているとき、患者さんからの指名買いが多かったのが「バファリンシリーズ」です。
「胃に優しい」というキャッチフレーズのCM効果が大きいのでしょう。
15歳以上に使用できるのが、バファリンA、バファリンEX、バファリンプレミアム、バファリンルナiです。
同じバファリンと名前がついていますが、有効成分に大きな違いがあります。
それぞれの有効成分、効能・効果、使い分けについてまとめてみました。
有効成分の違い・比較
バファリンシリーズについて1錠あたりの有効成分と含有量(mg)を表にしています。
有効成分/薬品名 | バファリン A | バファリン | バファリン | バファリン |
---|---|---|---|---|
アセチルサリチル酸 (アスピリン) 解熱鎮痛 | 330 | |||
合成ヒドロタルサイト (ダイバッファーHT) 胃を守る | 100 | |||
ロキソプロフェン ナトリウム水和物 解熱鎮痛 | 68.1 | |||
乾燥水酸化アルミニウムゲル 胃粘膜保護 | 120 | 35.5 | 35.5 | |
イブプロフェン 解熱鎮痛 | 65.5 | 65.5 | ||
アセトアミノフェン 解熱鎮痛 | 65.5 | 65.5 | ||
無水カフェイン 鎮痛補助 | 40 | 40 | ||
アリルイソプロピル アセチル尿素 鎮静 | 30 |
効能・効果は同じ
15歳以上向けのバファリンシリーズの効能・効果は全て同じです。
月経痛(生理痛)・頭痛・腰痛・肩こり痛・筋肉痛・関節痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・歯痛・抜歯後の疼痛・神経痛・耳痛・外傷痛・咽喉痛の鎮痛
悪寒・発熱時の解熱
胃に優しいバファリンは?
「バファリン=胃に優しい」
CMでもお馴染みですが、もともと胃に優しいといわれてきたのがバファリンAです。
バファリンAには解熱鎮痛作用のあるアセチルサリチル酸(アスピリン)に加えて、胃酸を中和するヒドロタルサイトが配合されています。
合成ヒドロタルサイトの制酸作用によって、アスピリンを溶けやすくする働きもあり、アスピリンの吸収を早め胃の中にアスピリンが残らないようにします。
そのため、
「胃粘膜への刺激が少ない」=「胃に優しい薬」
といわれています。
胃に負担をかけたくないのであればバファリンAが無難でしょう。
ロキソニンの市販薬がバファリンEX
「ロキソニンに近い市販薬はありますか?」
薬局でも時々質問を受けますが、ロキソニンは市販薬でロキソニンSという名前で販売されています。
またバファリンシリーズでもロキソニンの有効成分であるロキソプロフェンナトリウムが同じ量入った、バファリンEXが販売されています。
バファリンEXには胃粘膜を保護する乾燥水酸化アルミニウムゲルが入っているためロキソニンに比べると胃に優しいのが特徴です。
眠気が嫌ならバファリンルナi・バファリンA・EX
「車の運転をしないといけない・・・」
「社運をかけたプレゼンがあって集中したい・・・」
このように副作用の「眠気」を極力避けたい場合は眠気の原因となるアリルイソプロピルアセチル尿素が入っていない、バファリンA、バファリンEX、バファリンルナiがいいでしょう。
痛みを強く抑えたいならバファリンプレミアム・バファリンEX
痛みをとにかく抑えたい場合は、イブプロフェンとアセトアミノフェンの2つの鎮痛剤とこれらの働きを増強させるアリルイソプロピルアセチル尿素が入ったバファリンプレミアム。もしくは医療用では頻繁に使われるロキソプロフェンの入ったバファリンEXがよいかと思います。