生理痛や歯の痛みなど解熱鎮痛剤の市販薬の中でも「イブシリーズ」はほとんどの方が知っているのではないでしょうか。

イブシリーズには

  • イブ錠
  • イブA錠
  • イブA錠EX
  • イブクイック頭痛薬
  • イブクイック頭痛薬DX

が販売されています。

それぞれの違いや使い分けについてまとめてみました。

有効成分(イブ・イブA錠・イブA錠EX・イブクイック頭痛薬・イブクイック頭痛薬DX)

イブ錠、イブA錠、イブA錠EX、イブクイック頭痛薬、イブクイック頭痛薬DXの1錠あたり入っている有効成分をまとめてみました。(単位mg)

成分名\薬品名イブイブAイブA
EX
イブクイックイブクイック
DX
イブプロフェン
解熱鎮痛
757510075100
アリルイソプロピル
アセチル尿素
鎮静
 30303030
無水カフェイン
鎮痛補助
 40404040
酸化マグネシウム
胃保護・吸収促進
   5050

 

イブプロフェンの特徴・作用

痛みを感じたり発熱の原因となる物質を抑えることで、痛みを和らげ、熱を下げる働きがあります。イブシリーズはイブプロフェンのイブをとって名付けられており、イブシリーズすべてに含まれる有効成分です。

イブプロフェン自体には眠くなる副作用はありません。

アリルイソプロピルアセチル尿素の特徴・作用

アリルイソプロピルアセチル尿素は脳の興奮を抑え、痛みを感じるのを鈍らせる作用があります。

イブプロフェンと配合することで、イブプロフェンの効果をより高めるともいわれています。

またアリルイソプロピルアセチル尿素によって眠気の副作用がでてしまいます。

無水カフェインの特徴・作用

無水カフェインは血管の拡張を抑え痛みを緩和します。またアリルイソプロピルアセチル尿素による眠気を抑える働きもあると考えられます。

そのためアリルイソプロピルアセチル尿素が入ったイブシリーズの中には無水カフェインがセットで配合されています。

酸化マグネシウムの特徴・作用

酸化マグネシウムは胃酸を中和し、胃を守る働きがあります。またイブプロフェンの吸収を早める作用もあり、イブクイックに配合されています。

効能・効果の比較

効能・効果はイブ、イブA錠、イブA錠EX、イブクイック頭痛薬、イブクイック頭痛薬DX全て同じです。

月経痛(生理痛)・頭痛・歯痛・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛・肩こり痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・耳痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
悪寒・発熱時の解熱

 

用法・用量(飲み方の比較)

イブシリーズの飲み方ですが、イブプロフェンの含有量によって違いがあります。

イブ錠・イブA錠・イブクイック頭痛薬の飲み方・上限・間隔

 

1回量(2錠)を1日3回を限度とし、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用してください。服用間隔は4時間以上おいてください。

 

イブA錠EX・イブクイック頭痛薬DXの飲み方・上限・間隔

 

1回量(2錠)を1日2回を限度とし、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用してください。服用間隔は6時間以上おいてください。

 

値段・価格の違い

薬品名定価
税込み
1錠あたり 
イブ錠626円(24錠)
918円(36錠)
 25.5~26円
イブA錠810円(24錠)
1188円(36錠)
1404円(48錠)
1728円(60錠)
 28.8~33.7円
イブA錠
EX
 645円(20錠)
1058円(40錠)
 26.4~32.2円
イブクイック
頭痛薬
 1296円(20錠)
2052円(40錠)
 51.3~64.8円
イブクイック
頭痛薬DX
 645円(10錠)
1166円(20錠)
1814円(40錠)
 45.3~64.5円

 

使い分け

イブシリーズの使い分けについて解説します。

眠気がイヤな場合

とにかく眠気は絶対に避けたい場合はアリルイソプロピルアセチル尿素の入っていないイブ錠がいいでしょう。

痛みを強く抑えたい場合

痛みを強く抑えたい場合はイブプロフェンの量が多く入った、イブA錠EX、もしくはイブクイック頭痛薬DXがよいでしょう。

とにかく早く効かせたい場合

即効性があるのが、イブプロフェンの吸収を高める酸化マグネシウムを配合したイブクイック頭痛薬です。「頭痛薬」という名前になっていますが、生理痛や歯の痛み、熱にも効果があります。

ロキソニンSとの比較(即効性・強さ)

ロキソニンSの有効成分であるロキソプロフェンと、イブシリーズの有効成分であるイブプロフェンは強さはほぼ同等といわれています。

血中濃度が最大になるまでの時間はロキソプロフェンの方が早く、即効性があるのはロキソニンSになります。しかしイブクイック頭痛薬に関してはロキソニンSと即効性にそれほど差はないでしょう。

インフルエンザの時に頭痛薬として使用できる?

「イブプロフェン」はインフルエンザの際にも使用できる解熱鎮痛剤とされています。

しかし病院で解熱剤として「カロナール」や「コカール」などのアセトアミノフェン製剤や、「ロキソニン」などのロキソプロフェン製剤が処方されているときは、鎮痛作用もありますので慎重に併用しなければいけません。

インフルエンザの治療中に他の薬を併用する場合は主治医の判断が必要になりますので直接医療機関やかかりつけの薬剤師に連絡するのがよいでしょう。