気管支喘息の治療薬でステロイドの入った吸入薬がレルベアエリプタです。
エリプタは容器の名前のことで、他の吸入剤に比べてよりシンプルに吸いやすくなっています。
レルベアエリプタについて有効成分、使い方、患者さんから聞かれる質問についてまとめてみました。
レルベアの有効成分
レルベアには「気管支を広げる薬」と「気管支の炎症を抑える薬」の2つの成分が配合されています。
有効成分 | 特徴 |
---|---|
ビランテロール トリフェニル酢酸塩 | 長時間気管支を拡張 長時間β2刺激薬 |
フルチカゾン フランカルボン酸エステル | 気管支の炎症を抑える ステロイド |
レルベア100と200の違い
レルベアエリプタには100と200の2つのタイプがあります。
100と200の違いは含有成分であるステロイドの量の違いのみで、100にはフルチカゾンフランカルボン酸エステルが100μg、200には200μg入っています。
使い方(吸入方法)
一般的な用法・用量は下記のとおりです。
通常、成人にはレルベア100エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μg)を1日1回吸入投与する。
なお、症状に応じてレルベア200エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして200μg)を1日1回吸入投与する。
使い方
①レルベアエリプタのカバーを「カチッ」と音がするまで開ける
↓
②息を吐き出してマウスピース(吸入口)をくわえる
↓
③強く深く吸い込む
↓
④苦しくない程度に息を止める(3〜4秒)
↓
⑤吸入口をティッシュなどで拭きカバーを閉じる
↓
⑥口の中とのどをうがいする
(口の中のカビを防止するため)
レルベアの含有成分であるステロイドは免疫を抑える働きがあります。そのため口の中に残ると、カビが生えることが報告されていますので必ずうがいをしましょう。
タイミングは24時間間隔
大量に使用すると心臓の血管に負担になることがありますので、自分の吸いやすい時間帯を決めて24時間間隔で使用するか、もしくは主治医に指示された時間帯に吸入するようにしましょう。
うがいの方法
うがいをする時は口の中を「クチュクチュ」、のどを「ガラガラ」10秒2回ずつ行えば十分と考えられます。
主治医や薬剤師からの指示に従うようにしてください。
吸入を忘れた場合の対応
通常は吸入を忘れた場合は、気付いた時に吸入して問題ないとされています。
1日は1回までとし1度に2回吸入するのは絶対に避けてください。
主治医から特別指示がある場合はそちらに従うようにしてください。
急性の発作には効果ある?
レルベアはゆっくりと長時間作用する特徴があります。
急性の発作にはアイロミールエアゾールやサルタノールインヘラーといった短時間作用型の吸入薬を使用する必要があります。
妊娠・授乳中の使用
妊婦さんへレルベアの使用について「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(ビランテロールの高用量の吸入又は皮下投与により、ウサギの胎児に眼瞼開 存、口蓋裂などの所見及び発育抑制が報告されている。また、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの高用量の吸入投与により、ラットの胎児では母動物毒性に関連した胎児の低体重、胸骨の不完全骨化の発現率増加、ウサギでは流産が報告されている。)引用元 レルベアインタビューフォーム
また授乳中にレルベアを使用する場合は「授乳を中止すること」となっています。
授乳中の婦人に対しては、患者に対する本剤の重要性を考慮した上で授乳の中止あるいは本剤の投与を中止すること。
(他のβ2刺激剤および副腎皮質ステロイド剤はヒト乳汁中に移行することが知られている。ラットの授乳期にビランテロール又はフルチカゾンフランカルボン酸エステルを単独で投与したとき、生後10日の出生児血漿中に薬物が検出された)引用元 レルベアインタビューフォーム