肝臓や胆のうの働きが低下した場合に処方される薬がウルソ錠(一般名:ウルソデオキシコール酸)です。

お酒の飲み過ぎ二日酔いでウルソデオキシコール酸の入った市販薬を飲まれる方もいらっしゃることから馴染みのある方が多い薬ではないでしょうか。

ウルソ錠について、効能・効果、作用機序、副作用などの特徴についてまとめてみました。

効能・効果

医療用医薬品(病院で処方される薬)の効能・効果は下記の通りです。

・下記疾患における利胆
胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患
・慢性肝疾患における肝機能の改善
・下記疾患における消化不良
小腸切除後遺症,炎症性小腸疾患
・外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解
・原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善
・C型慢性肝疾患における肝機能の改善

肝臓や胆のうだけでなく、胆石を溶かす目的や、消化不良改善の目的で処方されることがあります。

作用機序(メカニズム)

ウルソ錠(一般名:ウルソデオキシコール酸)には主に下記の4つの作用があります。

・利胆作用(胆汁分泌)
・肝機能改善作用
・胆石溶解作用
・消化吸収改善作用

利胆作用

ウルソ(ウルソデオキシコール酸)は胆汁を分泌することで、胆汁のうっ滞を改善します。

肝機能改善作用

肝機能が低下している時は、肝臓の細胞を傷つける胆汁酸が肝臓に存在するのですが、ウルソデオキシコール酸は肝臓を傷つける胆汁酸の割合を低下させる作用(置換作用)があります。またサイトカイン・ケモカイン産生抑制作用や肝臓への炎症細胞浸潤抑制作用により肝機能を改善します。

胆石溶解作用

胆汁中のコレステロールを溶かしたり、腸管からのコレステロールの吸収を抑えることで胆石を溶解する働きがあります。

消化不良改善作用

小腸を切除した後や小腸の疾患時は胆汁の排泄が減少していることで消化不良が起こります。ウルソデオキシコール酸は胆汁酸を増やすことで消化不良も改善すると考えられています。

ジェネリック医薬品の違い

ウルソ錠100mgには薬価の安いジェネリック医薬品が販売されています。

ウルソデオキシコール酸錠100mg「JG
ウルソデオキシコール酸錠100mg「TCK
ウルソデオキシコール酸錠100mg「ZE
ウルソデオキシコール酸錠100mg「サワイ
ウルソデオキシコール酸錠100mg「テバ
ウルソデオキシコール酸錠100mg「トーワ

先発品と添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じです。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんにはウルソ錠の服用は「投与しないことが望ましい」とされています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。〔動物実験(ラット)で妊娠前及び妊娠初期の大量(2,000mg/kg/日)投与により 胎児毒性(胎児吸収)が報告されている。〕

引用元 ウルソ錠 インタビューフォーム

また授乳中については授乳を中止することなく服用して問題ありません。

下痢の副作用はでる?

ウルソの主な副作用は下痢や悪心などの消化器症状です。

時々、ウルソを飲んで「下痢になった」と訴える患者さんがいらっしゃいます。

製薬メーカーが方向している主な副作用は下記の通りです。

5,807例中182例(3.13%)222件の副作用が報告されている。主な副作用は下痢111件(1.91%)悪心16件(0.28% )掻痒10件(0.17%)AST(GOT)上昇8件(0.14%)ALT(GPT)上昇8件(0.14%)等であった。

引用元 ウルソ錠 インタビューフォーム