肝機能の改善や、皮膚疾患、円形脱毛症の際に処方されるのがグリチロン配合錠です。

グリチロン配合錠の作用機序や特徴についてまとめました。

有効成分

グリチロン配合錠には下記の3つの成分が配合されています。

有効成分1錠あたり配合量
グリチルリチン酸一アンモニウム
(グリチルリチン酸として)
35mg
(25mg)
日局グリシン25mg
DL-メチオニン25mg

 

効能・効果

グリチロン配合錠の効能・効果です。

慢性肝疾患における肝機能異常の改善
湿疹・皮膚炎、小児ストロフルス、円形脱毛症、口内炎

作用機序(メカニズム)

グリチロン配合錠の有効成分である「グリチルリチン酸」には主に下記の作用があります。

  • 抗アレルギー作用
  • 抗炎症作用
  • 免疫調整作用
  • ウイルス増殖抑制・不活性化作用

また配合されているグリシンとDL-メチオニンにはグリチルリチン酸による尿量やナトリウムの排泄量を減量させる作用があります。

用法・用量(飲み方)

グリチロン配合錠の用法・用量は下記の通りです。

通常、成人には1回2~3錠、小児には1錠を1日3回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

甘草を含有する漢方薬など併用注意

葛根湯などの漢方薬に含まれる「甘草」にはグリチルリチン酸が含まれており、グリチルリチン酸が重複することで偽アルドステロン症が現れることがあるため、「甘草」の入った薬との併用には注意しなければいけません。

偽アルドステロン症についてはこちらにまとめられています。
甘草(グリチルリチン)の1日量上限は?偽アルドステロン症の発症機序

 

妊娠中・授乳中の服用

妊婦さんや授乳中の方へは「治療上の有益性が危険性を上回る場合に処方すること」とされています。

妊婦等への投与に関する安全性は確立していないので、これらの患者には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(グリチルリチン酸一アンモニウムを大量投与したとき の動物実験(ラット)において腎奇形等が認められている)

引用元 グリチロン配合錠添付文書