とびひなどの皮膚感染、咽頭炎、扁桃炎や中耳炎の際に処方される抗生物質がファロムドライシロップ(成分名:ファロペネムナトリウム水和物)です。

ファロムドライシロップ

出典 マルホ


薬局でファロムドライシロップが処方された患者さんからは、

どんな味がするの?
下痢をしたけどファロムが原因?

などといった質問を受けることがあります。

ファロムドライシロップが処方される患者さんからよく聞かれることをまとめてみました。

ファロムドライシロップの味

ファロムドライシロップは見た目通り、オレンジの味付けがされています。抗生物質の中では比較的飲みやすい薬となっています。

飲ませ方

オレンジ味がついていますので、水に溶かして、スプーンやスポイトなどで少しずつ服用させてください。

また小さいお子さんの場合は数滴の水をたらして、ペースト状にし上あごや内ほほに塗って、水やぬるま湯を飲ませる方法もあります。

詳しくはこちらにも記載しています。

初めて赤ちゃんへ粉薬の飲ませ方・嫌がって飲まない場合

混ぜるとよいもの

ファロムドライシロップはオレンジジュースやポカリスエット、アクエリアスなどのスポーツ飲料水、アイスクリーム、ヨーグルトなどなんでも相性がよいのが特徴です。

副作用は?

主な副作用は下痢・軟便です。
また稀に発疹がでることがありますので、発疹が出た場合は必ず医療機関や薬局で伝えるようにしましょう。

下痢をした場合

耐性菌が出ることもありますので、多少の軟便や下痢の場合は処方された日数は飲み切る必要があります。
水のように、透明の下痢になった場合は服用を中断し、主治医や薬剤師に相談してください。

ファロム作用機序・メカニズム

ファロム(ファロペネム)は細菌の細胞壁の合成を防ぐことで抗菌作用を示します。

細胞壁は人間にはないため、細菌に選択的に効果を示します。

細菌の細胞壁はペプチドグリカンといって糖鎖をペプチドとよばれるもので架橋のように結合された状態になっています。

細胞壁が作られる際に、ペニシリン結合蛋白PBP)が酵素として働くのですが、ファロム(ファロペネム)はPBPと結合し、細胞壁を作る酵素としての働きを阻害します。

効能・効果・用法・用量

もう少し詳しくファロムドライシロップについて知りたい方のために、適応される症状や適応される細菌、ファロムドライシロップの用法・用量について記載します。

ファロムドライシロップの適応症・適応菌種

ファロムドライシロップの適応症は下記のようになっています。

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、猩紅熱、百日咳

また適応する菌については

ファロペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、百日咳菌

となっています。

用法・用量

ファロムドライシロップの用法・用量は下記の通りとなっています。

通常、小児に対してファロペネムナトリウム水和物として1回5mg(力価)/kgを1日3回、用時溶解して経口投与する。年齢、体重及び症状に応じて適宜増減する。増量の場合は1回10mg(力価)/kgを上限とする。

※ファロムドライシロップ小児用10%には1g中にファロペネムナトリウム水和物が100mg入っています。