非麻薬性の咳や痰を抑える作用があるのがアスベリンシロップ5%です。
白くて濁ったシロップタイプになっています。
配合すると相性が悪いシロップが多いことからアスベリンシロップだけ単独で出されるケースもあります。
アスベリンシロップについて薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
有効成分
アスベリンシロップ5%には有効成分である「チペピジンクエン酸塩」が1ml中5mg入っています。
効能・効果
アスベリンシロップの効能・効果です。
下記疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難
感冒,上気道炎(咽喉頭炎,鼻カタル),急性気管支炎,慢性気管支炎,肺炎,肺結核,気管支拡張症
アスベリンシロップには咳だけでなく痰も出す作用があります。
用量(赤ちゃん〜大人まで服用可能)
アスベリンシロップは1日3回に分けて服用します。
年齢別の1日量の目安は下記の通りです。
年齢 | 1日量 |
---|---|
1歳未満 | 1〜4ml |
1歳以上3歳未満 | 2〜5ml |
3歳以上6歳未満 | 3〜8ml |
成人 | 12〜24ml |
効果発現時間・持続時間
咳を抑える鎮咳作用は服用後30分〜1時間後に発現し5〜6時間効果が持続します。
服用して血中濃度が最大になるまでの時間をTmax(ティーマックス)いうのですがアスベリンのTmaxは1.3時間となっています。
つまり効果が最大になるのが1.3時間後となります。
味
柑橘系の甘い味がついているため比較的飲み易いのが特長です。
赤ちゃんへの飲ませ方
甘い味がついていますので、そのままスポイドで舌と内頬の間に入れてあげましょう。
嫌がる場合は飲み物に混ぜて問題ありません。
シロップは懸濁していますので、ゆっくりと数回上下に振って飲ませてあげてください。
強く振ると泡立ってしまい、薬がうまく量れなくなりますので注意しましょう。
飲み忘れた場合
基本的に飲み忘れた場合は、気付いた時に飲ませることとなっています。
食事に関係なく服用できる薬ですので、空腹時に服用させても問題ありません。
次回服用分と間隔が短い場合は飛ばして、次回分から正しく服用することとなっています。
主治医から特別指示がある場合はそちらを優先してください。
おしっこが赤く変色する?
アスベリンシロップを服用するとおしっこが赤く着色することがあります。
アスベリンシロップ自体は白い液体ですが、身体の中で分解されたものが赤い色をしているため尿が着色することがあります。
まったく問題はありませんので心配しなくて大丈夫です。
吐いてしまった場合はもう1度飲ませていい?
「アスベリンシロップを飲ませたけど吐いてしまった・・・。」
このような場合はどうすればよいのでしょうか。
一般的には服用させて30分以内に吐き出した場合は、もう1度飲ませても問題ないとされています。
30分経って吐き出した場合は、薬は腸まで達していますので、薬は十分に吸収されると考えられます。
ムコダインシロップ(カルボシステイン)と混ぜていい?
「ムコダインシロップ(もしくはカルボシステインシロップ)とアスベリンシロップが処方されたけど、ある薬局では混ぜてくれたのに、別の薬局では相性が悪いからといって分けて渡された・・・。どっちが正しいの?」
といった質問を受けることがあります。
ムコダインシロップとアスベリンを混ぜた場合に薬が沈殿することがありますが、絶対に一緒に混ぜてはいけない組み合わせではありません。
そのため薬局の薬剤師によって判断が分かれてきます。
アスベリンシロップを単独で飲ませるのが理想ですが、面倒で一気に飲ませたい場合は混ぜても大きな問題はないかと思います。