花粉による鼻水やじんましん、気管支喘息に処方される抗アレルギー薬がアレジオン錠(成分名:エピナスチン塩酸塩)です。

アレジオン

出典 ベーリンガーインゲルハイム

 

市販薬でも「アレジオン20」として販売されていることから馴染みのある薬ではないでしょうか。

アレジオンは錠剤タイプの10mgと20mg、アレジオンドライシロップが存在します。

「アレジオンとアレグラの違いは?」
「授乳中だけどアレジオン飲んでいい?」
「食後と食前ならどっちがいい?」

薬局で聞かれる質問を中心にアレジオンについてまとめてみました。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)

アレジオンには価格の安いジェネリック医薬品が発売されています。

エピナスチン塩酸塩錠+〇〇(メーカー名)

といったように成分名の後ろにメーカー名が付いた名前になっています。

トーワ薬品や日医工ファイザーなどから発売されています。

添加物に違いはありますが、主成分は同じで効能・効果は同じとなっています。

まれに添加物が合わず発疹がでるケースもあります。

作用機序・効果のある理由

なぜアレジオン(エピナスチン)に効果があるのか?

アレジオンの作用機序について説明する前に、アレルギーのメカニズムについて説明したいと思います。

花粉などのアレルゲンが体内入ると、体は外敵と見なし攻撃をはじめます。

この攻撃が過剰になるとアレルギー症状がでてしまいます。

花粉症やじんましんは即時型(Ⅰ型)アレルギーと言われ、体の中にアレルゲンが入ると血液中のIgE抗体と結合します。

すると外敵を攻撃するために肥満細胞からヒスタミンロイコトリエン血小板活性化因子(PAF)と呼ばれる化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出されます。

脳や血管にヒスタミンH1受容体というものがあるのですが、ヒスタミンがヒスタミンH1受容体と結合することで、鼻水や眼の充血、肌の痒みなどが生じます。 またロイコトリエンや血小板活性化因子(PAF)も同様にアレルギー症状を引き起こします。

アレジオンはヒスタミンH1受容体にヒスタミンが結合することをブロックするとともに、ロイコトリエン血小板活性化因子(PAF)に対抗したり、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエン、PAFといった化学伝達物質が放出されるのを抑えることで、鼻水や皮膚の痒み、気管支喘息に効果を発揮します。

空腹時に飲む?食後服用で効果下がる

「アレジオンは食後に飲んだ方がいい?」

薬局でも時々聞かれる質問ですが、アレジオンを食後に飲むとアレジオンの吸収が低下してしまいます。

健康成人男子16名にアレジオン錠20mgを空腹時または食後に経口投与したとき,血漿中濃度は,両投与でともに投与後約3時間で最大値に達し,以後減衰した。食後投与でのCmaxは空腹時投与の約67%に低下しAUC は約62%に減少した

引用元 アレジオンインタビューフォーム

そのため、より効かせたいのであれば食後でなく寝る前や空腹時に服用するのが適した薬剤です。

アレグラとアレジオンの違い

アレグラもアレジオンもどちらも抗アレルギー剤です。

「アレグラとアレジオンは何が違うの?」

と薬局で聞かれることがあるのですが、大きく下記の3点に違いがあります。

・アレグラは1日2回服用だがアレジオンは1日1回で1日効く
・アレジオンの方が眠気の副作用が強い
・アレジオンには気管支喘息にも効果がある

妊娠・授乳中の服用

「妊娠中だけどアレジオンを服用していい?」 と聞かれることがありますが、妊婦さんへのアレジオンの処方は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみOKとなっています。

妊婦さんに比較的安全に使われる抗アレルギー薬はジルテック(成分名:セチリジン塩酸塩)やザイザル(成分名:レボセチリジン塩酸塩)となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また,妊娠前及び妊娠初期試験(ラット)では受胎率の低下が,器官形成期試験(ウサギ)では胎児致死作用が,いずれも高用量で認められている。]

引用元 アレジオンインタビューフォーム

 

「授乳中だけどアレジオン服用できる?」 と薬局で聞かれることがありますが製薬メーカーの説明書ではアレジオンを服用する場合は授乳を中止することとなっています。

授乳中の婦人に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。]

引用元 アレジオンインタビューフォーム

 

海外の基準でもアレジオンのデータがないことからも、授乳中にはアレグラ(成分名:フェキソフェナジン)やクラリチン(成分名:ロラタジン)が使用されています。

市販薬は?

アレジオンの有効成分である「エピナスチン塩酸塩」が入った市販薬が販売されています。

  • アレジオン20
  • アルガード持続性鼻炎シールド24h
  • ナブルシオン

アレジオン20とアルガード持続性鼻炎シールド24hは1錠中にエピナスチン塩酸塩が20mg入っており、ナブルシオンには10mg入っています。