花粉による鼻炎や蕁麻疹、皮膚炎などによる痒みに処方される抗アレルギー薬がタリオン錠(成分名:ベポタスチンベシル酸塩)やアレグラ(成分名:フェキソフェナジン)です。
アレグラからタリオンに切り替わったり、またその逆のケースもあり
「タリオンとアレグラに違いはあるの?」
と薬局で聞かれることがあります。
タリオンとアレグラの違いについてまとめてみました。
用法・用量・飲み方の違い
タリオンもアレグラもどちらも1日2回服用する薬です。
タリオンは細粒やドライシロップは販売されておらず、アレグラはドライシロップが6ヶ月から服用できます。
薬品名 | タリオン (ベポタスチンベシル酸塩) | アレグラ (フェキソフェナジン) |
---|---|---|
用法用量 | 7歳以上
| 12歳以上 1回60mgを1日2回 7歳以上12歳未満 2歳以上7歳未満 6ヵ月以上2歳未満 |
即効性・効くまでの時間(Tmax)
即効性は
タリオン>アレグラ
となっています。
薬を飲んで身体の中の薬の濃度が最大になるまでの時間をTmax(ティーマックス)と言われています。
タリオンとアレグラのTmaxは下記の通りです。
タリオン (ベポタスチンベシル酸塩) | アレグラ (フェキソフェナジン) |
---|---|
1.2hr | 2.4hr |
御覧のように、タリオンの方が1時間ほど早く最高濃度に達します。
持続時間・T1/2
持続時間は
アレグラ>タリオン
となっています。
薬の濃度が半分に代謝される時間をT1/2(半減期)というのですが、アレグラの方が代謝スピードが遅い分、緩やかに持続します。
タリオンとアレグラのT1/2は下記の通りとなっています。
タリオン (ベポタスチンベシル酸塩) | アレグラ (フェキソフェナジン) |
---|---|
2.4hr | 9.1hr |
強さの違いは?
「タリオンとアレグラどっちが強い?」
一番よく聞かれる質問なのですが、直接実験したデータがないため正直答えが難しいです。
僕が現場で患者さんと接する限りでは、ややタリオンの方が強いと感じる方が多いように思います。
タリオンはすぐに効いて早く代謝されますが、アレグラは緩やかにじわじわ効くといった特徴があります。
眠気の副作用
眠気の副作用は
タリオン>アレグラ
となっています。
製薬メーカーの調査データではタリオンによる眠気の副作用の確率が1.3%、アレグラによる眠気の副作用が0.5%となっており、眠気の副作用はアレグラの方が少なくなっています。
そのためタリオンには車の運転の注意書きがありますが、アレグラにはありません。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)はある?
タリオン(成分名:ベポタスチンベシル酸塩)のジェネリック医薬品は2017年時点で発売されておりません。
アレグラはフェキソフェナジン+メーカー名の名前でファイザーやトーワ薬品、SANIKから発売されています。
市販薬は発売されている?
タリオンの主成分「ベポタスチンベシル酸塩」が入った市販薬は2017年時点で発売されておりませんが、アレグラにはアレグラFXという市販薬が販売されています。