抜歯後や痛みがある時に処方される鎮痛剤がソランタール錠です。
ソランタール錠は50mgと100mgの2つの規格が存在します。
ソランタール錠について薬局で患者さんから聞かれる質問についてまとめました。
有効成分
ソランタールは100mg中にチアラミド塩酸塩110.2mg(チアラミドとして100mg)が入っています。
効能・効果
ソランタールの効能・効果です。
1.各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎
2.下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、 膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎
3.抜歯後の鎮痛・消炎
4.下記疾患の鎮痛
急性上気道炎
作用機序(メカニズム)
ソランタールの有効成分であるチアラミドは塩基性のNSAIDsであり、ロキソニンやボルタレンなどの酸性のNSAIDsと違った作用を示します。
チアラミドは炎症部位のヒスタミンやセロトニンを抑え、急性の炎症を抑えます。
熱を下げる解熱作用はほとんどありません。
即効性・持続時間(Tmax・T1/2)
薬を飲み始めて血中濃度が最大になるまでの時間をTmax(ティーマックス)、その後血中濃度が半分ずつに分解されていく時間をT1/2(ティーハーフ)または半減期をいいます。
健康成人男性に300mgを投与した時のTmaxとT1/2です。
Tmax | T1/2 |
---|---|
0.9hr | 1.59hr |
服用後、約50分で最大血中濃度に達し、その後1.6時間ごとに濃度が半分に分解されていきます。
効果を感じられる時間は5〜6時間くらいでしょう。
ロキソニン(ロキソプロフェン)との違い
ロキソニンとソランタールはNSAIDsに分類されますが、作用機序(メカニズム)に違いがあります。
ロキソニンは痛みや発熱の原因となる「プロスタグランジン」の生成を抑えることで解熱鎮痛効果を示します。
一方でソランタールは炎症部位のセロトニンやヒスタミンを抑えることで炎症を鎮めます。
ロキソニンには解熱作用がありますが、ソランタールにはほとんど解熱作用はありません。
また「プロスタグランジン」の一つに胃を保護する作用があるのですが、ロキソニンは胃を保護するプロスタグランジンの生成を抑えてしまいます。
胃腸障害の副作用はソランタールよりロキソニンの方がでやすいことが考えられます。
作用発現時間や持続時間はどちらも大きな違いはありません。
妊娠・授乳中の服用
妊婦さんには「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
引用元 ソランタールインタビューフォーム
また授乳中は「授乳を避けること」となっています。
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されている]
引用元 ソランタールインタビューフォーム
市販薬はある?
ソランタールの有効成分であるチアラミドが入った市販薬は販売されていません。