この薬は

「室温で保存してくださいね」
「冷所で保管してください」

といった説明を薬局で薬剤師から受けることがあるのではないでしょうか?

室温は具体的にどれくらいの温度?
冷所って何度のこと?

と疑問に感じる方のために薬の保管方法である「室温・冷所・冷蔵」の違いについて解説していきます。

室温保管とは1〜30°C

室温保存とは1〜30°Cのことをいいます。
多くの医薬品が室温保存となっています。

室温でも夏場などの暑い時期に30°Cを超える場合は、玄関先など部屋の中でも涼しい場所に保管するとよいでしょう。

「1〜30°Cなので冷蔵庫に保管してもいい?」

と聞かれることがありますが、薬の中には冷やすと変質するものがありますので、室温保存の薬を冷蔵庫に入れるかどうかの判断は処方してもらった薬剤師に確認してみるとよいでしょう。

冷所保管は1〜15°C以下・冷蔵保管は?

冷所保管とは具体的は温度の指示がない場合は1〜15°Cのことをいいます。

例えば解熱鎮痛剤の座薬のボルタレンサポは「冷所保管」、アンヒバ坐剤は「冷暗所保管」となっていますので、15°C以下の場所に保管となります。
部屋で15°C以下の場所がない場合は冷蔵庫で保管となります。

開封前のインスリンは「凍結を避けて2〜8°Cで保管」と具体的な温度が記載されていますので冷蔵庫での保管が不可欠となります。

インスリンのように具体的な温度の指示がなく「冷所保管」となっている場合は、部屋の中でも1〜15°Cの場所であれば問題ありませんが、冷蔵庫での保管が無難といえるでしょう。

日本薬局方の定義・室温・常温・冷所

日本薬局方で定められている温度は下記のとおりです。

室温1〜30°C
常温15〜25°C
冷所1〜15°C
(別に規定がない場合)

冷所保管の薬品について「2〜8°C」などの具体的な表記がない場合は1〜15°Cとなっています。