体が疲れた時や体力低下の時に処方される漢方薬がツムラ補中益気湯、読み方は「ほちゅうえっきとう」です。

ツムラ補中益気湯は男性の不妊治療にも処方される漢方薬です。

効能・効果、男性不妊に効果を示すメカニズム、副作用などについてまとめてみました。

効能・効果

ツムラ補中益気湯の効能・効果は下記の通りです。

消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症
夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、 半身不随、多汗症

 

男性の不妊治療にも処方

効能・効果に「陰萎(いんい)=インポテンツ」とありますが、精子の濃度精子の運動率を改善する働きがあるため男性の不妊治療にも頻繁に処方されます。

精巣に対する作用
・ヒト精子において、抗精子抗体による精子運動率の低下を抑制した
・ヒト精子において、精子運動速度及び精子直進性を改善した

引用元 ツムラ補中益気湯インタビューフォーム

 

有効成分

ツムラ補中益気湯は1日量の7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス5.0gを含有します。

有効成分組成
オウギ4.0g 
ソウジュツ4.0g 
ニンジン4.0g 
トウキ3.0g 
サイコ2.0g 
タイソウ2.0g 
チンビ2.0g 
カンゾウ1.5g 
ショウマ1.0g 
ショウキョウ0.5g 

わずかににおいがあり、味は甘く、苦い

飲み方(用法・用量)

一般的な飲み方は下記のとおりです。

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する

食前とは?
食事の30分前

食間とは?
食事と食事の間(食後2時間が目安)

子供・赤ちゃんの用量

年齢用量
7歳〜15歳未満成人の2/3
4歳〜7歳未満成人の1/2
2歳〜4歳未満成人の1/3
2歳未満成人の1/4以下

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんについて製薬メーカーの説明書では下記のとおりとなっています。

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳中については添付文書に注意書きがなく「授乳を中止することなく服用してもよい」と指導されるケースが多くあります。

副作用

漢方薬といえば「副作用の少ない薬」と思われがちですが、体質に合わない場合、下記のような副作用が現れることがあります。

 頻度不明
過敏症発疹、蕁麻疹等
消化器食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等

ニンジンによる発疹・痒みの副作用

含有成分のニンジンによる過敏症で発疹や痒みなどの副作用が頻度不明で報告されています。

トウキによる下痢・食欲低下の副作用

含有成分のトウキにより食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等の消化器症状が報告されています。

ロキソニン(ロキソプロフェン)との飲み合わせ

「ツムラ補中益気湯飲んでるけどロキソニン服用しても大丈夫ですか?」

と聞かれることがありますが、補中益気湯とロキソニン(ロキソプロフェン)の相互作用は問題ありません。

ロキソニン以外の他の解熱鎮痛薬についても同様に相互作用は問題になりません。