降圧剤であるノルバスクやアムロジンなどのアムロジピン製剤を服用している方なら、
「グレープフルーツ(orジュース)の摂取は避けてください」
と薬局で薬剤師から説明を受けたことがあるのではないでしょうか。
これからずっとグレープフルーツ(ジュース)を摂れないとなると少し寂しいですよね。
今回はアムロジンやノルバスクなどのアムロジピン製剤とグレープフルーツの関係についてまとめてみました。
アムロジピン製剤の特徴
アムロジピンはカルシウム拮抗薬という薬に分類され血管を広げることで血圧を下げます。
アムロジピン製剤は特に緩やかに効果がでるのでふらつきなど副作用が少ないのが特徴です。
先発品でいえば、ノルバスク(メーカー:ノバルティス)、アムロジン(メーカー:大日本住友製薬)が販売されています。
ジェネリック医薬品ではアムロジピン+メーカー名という名前でトーワ薬品や日医工、サワイ製薬から販売されています。
アムロジピンとグレープフルーツの飲み合わせ
アムロジンの発売元である大日本住友製薬さんの資料によると、グレープフルーツとアムロジピンを併用した場合、最大血中濃度(Cmax)が通常より7~15%増えたと報告されています。
他の降圧剤では血中濃度が4倍近くになるものもありますので、アムロジンやノルバスクはカルシウム拮抗薬の中でもグレープフルーツの影響を受けにくい薬剤です。
またグレープフルーツそのものだけでなくグレープフルーツジュースも同様です。
影響がでる理由?
アムロジピン製剤を分解する小腸のCYP3A4(シップスリーエーフォー)と呼ばれる酵素をグレープフルーツの果実に多く含まれるフラノクマリン類が阻害するため、薬が分解されず、結果的に薬が効きすぎてしまいます。
本来ならアムロジピンが小腸から血液中に吸収される過程で、消化管の上皮細胞に存在するCYP3A4によって代謝・分解され、代謝・分解されない一部が血液中に吸収されています。
グレープフルーツによって消化管の上皮細胞に存在するCYP3A4が不可逆的に阻害されると、消化管でのアムロジピンの代謝が阻害され血液中に吸収される量が上昇してしまうのです。
間隔・時間をあければ影響はでないの?
「薬を飲んで2~3時間あけたらグレープフルーツジュースを飲んでいい?」
という質問を薬局で多く受けますが、アムロジピン製剤は持続性があり日中を通してゆっくりと分解される薬なので、どれだけ間隔をあけてもグレープフルーツの影響は受けてしまいます。
みかんとアムロジピン(アムロジン・ノルバスク)との飲み合わせ
「グレープフルーツがダメならみかんも摂取したらダメ?」と聞かれることは多いですが、みかんとアムロジピンは飲み合わせに問題はありません。
お土産や外食程度ならグレープフルーツは問題ない
アムロジピン製剤(アムロジン、ノルバスク)は比較的グレープフルーツの影響を受けにくいのが特徴です。
毎日グレープフルーツを摂取するのは避けた方がいいですが、お土産で貰われた時などは摂取しても大きな問題はないと言われています。
アムロジンやノルバスクはCa拮抗薬の中でもグレープフルーツの影響を受けにくいのが特長です。
アムロジン、ノルバスクを服用中は一度に大量にグレープフルーツを摂ったり、毎日続けて摂取するのは控えるようにしましょう。