気管支喘息や気管支炎の発作時に処方される吸入薬がメプチンエアーです。
小児用としてメプチンキットエアーというタイプも存在します。
メプチンエアーについて作用機序や特徴についてまとめました。
有効成分・SABA(読み方:サバ)とは?
メプチンエアーにはプロカテロール塩酸塩水和物が1噴霧中に10μg含まれています。
また小児用のメプチンキットエアーもありプロカテロール塩酸塩水和物が1噴霧中に5μg含まれています。
プロカテロールは作用が短いため短時間作用型β2刺激薬(Short Acting β2 Agonist=SABA)と呼ばれます。
作用機序(メカニズム)
メプチンエアー(プロカテロール)は気管支喘息や気管支炎による発作で狭くなった気道を広げ呼吸を楽にする働きがあります。
気管支の平滑筋にはアドレナリンβ2受容体という部分があるのですが、β2受容体が刺激されると気管支平滑筋が弛緩し気道が広がります。
メプチンエアー(プロカテロール)は気管支平滑筋のアドレナリンβ2受容体を刺激することで気管支を広げ、発作時の呼吸を楽にし、咳をおさえます。
使い方
- キャップをはずして容器をよく振る。
- オープンマウスかクローズドマウスの2つの方法があります。
オープンマウス法
アダプターの吸入口を唇から3〜4cm(指2本分くらい)離して口を大きく開けるクローズドマウス法
アダプターを軽く歯でかんで口を大きく開ける - 息をはいて、息を吸い始めると同時にボンベを強く1回押し、薬をゆっくりと深く吸い込む。
- を吸い込んだ状態で数秒間、息を止める。
- 息をゆっくりはき出す。
- 2吸入する場合は1分間隔をあけて2〜5の手順を繰り返す。
うがいは必要?
メプチンエアーの添付文書では「うがいを実施するように指示することが望ましい」となっています。
ステロイドの吸入薬のように口腔カンジダ防止のためではありませんが、有効成分が口に残るのを防止する目的があります。
うがいをする時は口の中を「クチュクチュ」、のどを「ガラガラ」10秒をそれぞれ2回ずつ行えば十分と考えられますが、薬剤師や主治医の指導に従うようにしてください。
1日最大吸入回数は4回
メプチンエアーは成人は1回2吸入(キッドエアーだと4吸入)、小児は1回1吸入(キッドエアーだと2吸入)で原則は1日最大4回までとされています。
妊娠・授乳中の使用
妊婦さんについて製薬メーカーの添付文書では「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合 にのみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない)
引用元 メプチンエアー添付文書
となっています。
授乳中については製薬メーカーの添付文書では「授乳を避けること」となっています。
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)
引用元 メプチンエアー添付文書