気管支喘息による気道の炎症を抑える目的で吸入ステロイド薬が処方されることがあります。

パルミコートタービュヘイラーは吸入ステロイド薬の一つです。

パルミコートが製品名、タービュヘイラーは吸入容器の名前です。

パルミコートタービュヘイラーについて使い方やうがいの方法、妊娠・授乳中の使用についてまとめました。

有効成分

パルミコートタービュヘイラーの有効成分はステロイドのブデソニドで、1回あたりのブデソニド吸入量が100μgと200μgの2つの規格が存在します。

使い方(最初)

パルミコートが処方されたら初回(開封した時)のみ、準備操作を行います。

容器をまっすぐに立て、下側の回転グリップを左右に回し「カチっ」と音を2回鳴らします。

これで準備操作は完了です。

使い方・吸入方法

  1. 容器をまっすぐにし、下側の回転グリップを「右」に回します。
  2. 下側の回転グリップを「左」に回し「カチっ」と音がすれば1回分の吸入がセットされます。
  3. 下側の回転グリップを持って、息をしっかり吐いた後、口にくわえて力強く吸い込みます。
  4. 2回吸入の際は1〜3を繰り返します。
  5. 吸入が終わったらそのままキャップを閉めます。
  6. うがいを必ず行います。

吸入の際は吸入器の本体でなく下側の回転グリップを持って吸入するようにしてください。

うがいをする理由・方法

パルミコートを吸入した後は、口の中を「クチュクチュ」、のどを「ガラガラ」10秒2回ずつうがいを行えば十分と考えられます。

うがいをする理由ですが、ステロイドは免疫を抑える作用がありますので、口の中に薬が残ると嗄声(させい)といって声がかすれたり、口の中でカビがはえる感染症が起こりやすくなるからです。

うがいの方法については主治医や薬剤師からの指示に従うようにしてください。

妊娠・授乳中の服用

パルミコートの妊婦さんへの使用ですが「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(動物実験で催奇形作用が報告されている)

引用元 パルミコート インタビューフォーム

妊娠中のパルミコートの使用について米国のFDA基準ではA,B,C,D,Xの5段階中2番目に安全の「B」に位置付けられています。

カテゴリーB 
動物生殖試験では胎仔への危険性は否定されているが、ヒト妊婦での対照試験は実施されていないもの。あるいは、動物生殖試験で有害な作用(または出生数の低下)が証明されているが、ヒトでの妊娠初期3ヶ月では実証されていない、またその後の妊娠期間でも危険であるという証拠はないもの。

引用元 米国FDA基準

授乳中の場合は、吸入の場合母乳中に移行が報告されておらず「授乳を続けても悪影響はでない」と考えられています。

海外の基準でも最も安全のL1に位置付けられています。

L1 適合(安全):compatible
多くの授乳婦が使用するが、児への有害報告なし。対照試験でも児に対するリスクは示されず、乳児に害を与える可能性はほとんどない。

引用元 Medications and Mothers’ Milk 基準