気管支喘息に処方される吸入薬にフルティーフォームという薬があります。
フルティフォームについて有効成分や作用機序、使い方についてまとめました。
有効成分(ICS+LABA)
有効成分 | 働き |
---|---|
フルチカゾンプロピオン酸エステル | 気管支の炎症を抑える |
ホルモテロールフマル酸塩水和物 | 気管支を広げる |
フルチカゾンプロピオン酸エステルは吸入ステロイド薬(ICS)で単体の薬剤ではフルタイド(ディスカス、ロタディスク、エアゾール)が存在します。
ホルモテロールフマル酸塩水和物は長時間作用性β2刺激薬(LABA)と呼ばれ単体の薬剤でオーキシスタービュヘイラーとして存在します。
LABA(読み方:ラバ)は「long acting β2 agonist」の頭文字をとったものです。
吸入デバイスは加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)
フルティフォームは加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)とよばれる吸入器で、ドライパウダーのような吸入力を必要とせず気管や肺まで薬を届けることができるのが特徴です。
作用機序(メカニズム)
気管支喘息時は気道が炎症を起こし、気道が狭くなっています。
フルティフォームに含まれるフルチカゾンプロピオン酸エステルは気道の炎症を抑え、ホルモテロールが気管支のアドレナリンβ2受容体を刺激することで気管支を拡張させます。
気管支拡張作用は12時間持続することから通常は1日2回で使用します。
使い方・吸入方法
- 「初めて使用する場合or3日以上使用しなかった場合」は4回空噴霧
- アルミ缶を上にした状態で上下によく振る
- 吸入器をくわえる前に軽く息を吐く
- 吸入器を軽く歯で加え息を吸い始めると同時にアルミ缶を押す
- ゆっくり吸い込む
- 吸入後は吸入器を口から離し3秒以上息をとめる
- 2回吸入の場合2〜6を繰り返す
- 吸入後うがいをする
うがいをする理由は嗄声・口腔カンジダの防止
吸入後うがいをする理由ですが、ステロイドの副作用を防止するためです。
ステロイドであるフルチカゾンプロピオン酸エステルが口の中に残ると、口腔カンジダや嗄声(させい)といった声のかすれが現れることがあります。
そのため口の中を「クチュクチュ」、のどを「ガラガラ」うがいするのが理想ですが、のどをガラガラうがいできない場合は口の中を洗い流すだけでも問題ないとされています。
どうしてもうがいや口の中を洗い流すことができない場合は飲み物を摂取するだけでも、口の中に薬剤が残ることを防止できます。
カウンターが赤色になったら受診が必要
フルティフォームは使用していくうちに、緑色→黄色→赤色にカウンターの色が変わってきます。
残り20回吸入となれば赤色になり、受診して処方する目安となっています。