慢性閉塞性肺疾患(COPD)による気道の閉塞に処方される吸入薬がスピオルトレスピマットです。

COPDでは気道が狭くなることで十分に息が吐ききれず肺の中に空気が残ってしまいます。

このような状態で身体を動かして呼吸が増えると肺が過剰に膨らんでしまい十分に空気を吸えず息苦しくなってしまいます。

スピオルトレスピマットは気道を拡張させることでCOPDによる息切れを改善します。

スピオルトレスピマットについて詳しい作用機序や使い方についてまとめました。

有効成分(LAMA+LABA)・スピリーバとの違い

スピオルトレスピマットは「気管支の収縮を抑える成分」と、「気管支を拡張させる成分」が配合された吸入薬です。

有効成分 働き
チオトロピウム 気管支の収縮を抑制
長時間作用性抗コリン薬
オロダテロール 気管支を拡張
長時間作用性β2刺激薬 

気管支の収縮を抑える成分がチオトロピウムです。

チオトロピウムのみが入った吸入薬がスピリーバレスピマットです。

スピオルトもスピリーバも1噴霧あたりのチオトロピウム量は同じ2.5μgとなっています。

スピリーバに気管支拡張薬のオロダテロールを追加したものがスピオルトです。

そのためスピオルトの方が気管支を広げる作用は強くなると考えられます。

効果発現時間・持続時間

吸入後5分から効果が発現し、24時間持続します。

作用機序(メカニズム)

スピオルトは気管支の収縮を抑え、気管支を広げる2つの作用があります。

ここからは少し専門的なお話になります。

気管支収縮抑制作用(抗コリン作用)
気道平滑筋にはムスカリンM3受容体という部分があります。

そこにアセチルコリンが結合すると気管支が収縮します。

チオトロピウムは抗コリン薬といわれ、アセチルコリンが気管支に存在するムスカリンM3受容体に結合するのを邪魔することで気管支の収縮を抑えます。

チオトロピウムは持続性があることから長時間作用性抗コリン薬LAMA:読み方ラマ)と呼ばれます。

気管支拡張作用(β2刺激作用)
アドレナリンβ2受容体という部分を刺激すると気管支が拡張します。
オロダテロールはβ2受容体を長時間刺激することで気管支を持続的に拡張させます。

オロダテロールは持続性があることから長時間作用性β2刺激薬LABA:読み方ラバ)と呼ばれます。

このようにスピオルトは抗コリン作用による気管支収縮抑制と、β2刺激作用による気管支拡張によって狭くなった気道を広げ、呼吸を楽にし、息切れを起こりにくくします。

使い方・吸入方法

スピオルトレスピマットの使用方法です。

  1. キャップを閉じた状態で、下側の透明ケースを右に180度カチッと音がするまで回す
  2. キャップを開ける
  3. 息を吐く
  4. 吸入口を加えてゆっくり息を吸いながら噴霧ボタンを押す
  5. そのままできるだけ肺いっぱいに息を吸い込む
  6. 苦しくない程度に息をとめる

通常は1回2吸入しますので1〜6をもう一度繰り返します。

吸入後のうがい

スピオルトの添付文書や使い方の説明書には「うがいの指示」はありません。

一般的にはステロイドの吸入薬の場合、口の中に薬が残ると口腔カンジダや、嗄声(させい)といった声がかれる副作用が現れることがあります。

ステロイドの吸入薬を併用する場合はうがいは必要となりますがスピオルトにはステロイドは含有されていません。

薬剤師によっては、口の中に薬が残るのを防ぐために、すべての吸入薬でうがいをするように指導されるケースがあります。