小学校の健康診断で視力の低下を指摘されて、眼科で処方される目薬がミドリンM点眼液(成分名:トロピカミド)です。
ミドリンMは散瞳薬といって検査の時に瞳孔を開くために使われる目薬です。
実際のミドリンMの効能・効果には
診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺
のみの記載があり、視力回復の記載はありません。
ではなぜミドリンM点眼液が視力回復に効果があるのでしょうか?
ミドリンM点眼液が視力回復に効く理由と使用方法・副作用についてまとめてみました。
ミドリンM点眼液が視力回復(仮性近視)に効く理由
小学生や中学生の視力低下の原因の多くに調節緊張があります。
調節緊張とは?
人は近くを見たり遠くを見たりする時にレンズ(水晶体)の厚みを調節します。その時に働くのが「毛様体筋」という筋肉なのですが、ゲームやパソコンを長時間することで筋肉が緊張しピントの調整が上手くできなくなります。
そのため一時的に視力が低下したような状態になってしまいます。
この状態を仮性近視といわれます。
ミドリンM点眼液の成分であるトロピカミドには瞳孔括約筋だけでなく毛様体筋を弛緩させる働きがあるため、毛様体筋の緊張をほぐし仮性近視を改善するのです。
ミドリンM点眼液の使い方・点眼方法
仮性近視の場合は、ミドリンM点眼液は寝る前に処方されます。ミドリンMは瞳孔を開くため光がまぶしく感じますので入浴後、布団に入る前に点眼するようにしてください。
痛みはある?しみる?
ミドリンMには刺激性があるため、痛み、刺激感、しみることが多く報告されています。通常は2~3分でよくなりますがどうしても我慢できない場合は主治医に相談してください。
眼精疲労にも効果がある?
パソコンを長時間使う方やデスクワークが多いビジネスパーソンなどの目の疲れにミドリンMが処方されることがあります。厚生労働省の効能・効果に眼精疲労はありませんが、ミドリンMは毛様体筋を緩め眼精疲労によるピント調節麻痺を改善すると考えられています。
ミドリンMとミドリンPの違い
ミドリンという名前の目薬にミドリンM点眼液の他にミドリンP点眼液があります。
ミドリンP点眼液にはミドリンM点眼液にフェニレフリン塩酸塩という交感神経を刺激する成分が入っています。ミドリンPは検査前の散瞳目的で使われ、視力回復や眼精疲労ではミドリンMが使われます。