ものもらいや結膜炎の時に処方される抗生物質の目薬がオゼックス点眼液(成分名:トスフロキサシン)です。
別の製薬メーカーさんからはトスフロ点眼液としても販売されています。
オゼックス点眼液は年齢制限がないことから赤ちゃんや小児にも使われることがあります。
炎症がひどい場合はオゼックス点眼液に加え、ステロイドのフルメトロン点眼液やオドメール点眼液、フルオメソロン点眼液が併用されるケースがあります。
オゼックス(トスフロ)点眼とフルメトロン点眼が併用された時の順番、ソフトコンタクトレンズとの関係、開封後の使用期限など、薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
フルメトロン(オドメール)とオゼックスの順番・間隔
炎症がひどい場合にステロイド薬のフルメトロン点眼薬やオドメール点眼液が併用されるケースがあります。
特に医師からの指示がない場合、懸濁性の目薬は最後に使用することが推奨されています。
先に懸濁性の目薬を使用すると次に使う目薬の吸収が低下する可能性があるためです。
フルメトロン点眼液やオドメール点眼液は「懸濁性」の目薬ですので、主治医から指示がない場合は
- オゼックス点眼
↓ - フルメトロン点眼orオドメール点眼(よく振って)
の順番がスタンダードとなります。
併用する場合間隔は5分以上あけるようにしましょう。
ソフトコンタクトレンズの上からの点眼
オゼックス点眼液は有効成分がソフトコンタクトレンズを濁らせることが報告されています。
オゼックス点眼液の有効成分がソフトコンタクトレンズに付着し、レンズが白濁するとの報告がある
引用元 オゼックスインタビューフォーム
またフルメトロン点眼液にはベンザルコニウム塩化物といってソフトコンタクトレンズに吸着し角膜の炎症を起こす防腐剤が入っているためソフトコンタクトレンズは外して点眼することとなっています。
ものもらいや結膜炎の時はコンタクトレンズ自体は装着しない方がいいため治療中は極力メガネを装着することをオススメします。
開封後の使用期限・保管方法
オゼックス点眼液もフルメトロン点眼液も開封後は使用期限内であっても1ヵ月以内で使い切るか、1ヶ月経ったら廃棄することをオススメします。
またどちらも冷蔵庫で保管する必要はなく室温保存となっています。
オゼックス(トスフロ)点眼液の妊娠・授乳中の使用
オゼックス点眼液(トスフロ点眼液)は妊娠中や授乳中の注意書きがなく、妊婦さんや授乳中の方に処方されるケースがあります。
フルメトロンは妊婦さんには「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には長期・頻回投与を避けること[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]」となっています。
催奇形性が報告されているわけではありませんので妊婦さんに処方されるケースはあります。
また授乳中の注意書きはないことから「授乳を中止しなくていい」と指導されることが多いです。
妊娠中や授乳中に使用する場合、体に吸収されるのを極力抑えるために点眼後は数分間目を閉じて目頭(涙囊部)を押さえるようにしましょう。
ものもらいの時に抗菌薬の目薬とステロイドの目薬はセットで処方されることが多くあります。
点眼の順番のポイントは「懸濁しているもの」を最後に使用することです。
ステロイドのフルメトロン点眼液やオドメール点眼液は懸濁していますので、最後に点眼することが推奨されています。