嵐の大野智さんのCMでおなじみのアレグラFX。

眠くなりにくい抗アレルギー薬として医療現場でも「アレグラ錠60mg」はよく使用されています。
市販のアレグラFXも医療用と同じ有効成分であるフェキソフェナジンが60mg入っています。

このアレグラFXの説明書に書いてある用法を見てみると、

1回1錠、1日2回 朝夕に服用してください

となっているため、「食後か食前いつ服用したらいいの?」という質問を受ける事があります。

このアレグラ。
実は最も効果的のでる服用方法がありますので、説明したいと思います。

アレグラ(フェキソフェナジン)はいつ服用するのがベスト?

医療用のアレグラでは、医療従事者向けの説明書に、空腹時に比べて食後に服用した場合は15%程度吸収が低下すると報告されています。

専門用語が出てきますが、下記に詳細を添付します。

健康成人男子22例にクロスオーバー法で、空腹時及び食後(高脂肪食)にフェキソフェナジン塩酸塩錠120mgを単回経口投与したとき、空腹時に比べ食後投与時のAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ15%及び14%減少した。日本人においても、クロスオーバー法による検討ではないが、フェキソフェナジン塩酸塩円形錠を食後投与したときのAUC0-∞及びCmaxから外国人と同様の食事の影響が推察された。

専門用語を簡単に説明すると、AUCは薬の濃度曲線を描いたときの総面積、Cmaxは薬が最大となる濃度のことをいいます。

つまり全体的な薬の効き目も、薬が最大になる濃度も、空腹時に比べ食後に服用すると15%前後低下する可能性があるのです。

このように、アレグラは食前などの空腹時に服用するのが、一番効果的なのがお分かりいただけるのではないでしょうか。

食後で飲んでたけどなかなか効果が感じないという方は、是非一度食前などの空腹時で服用することをオススメします。

アレグラは効かない?

アレグラは眠気の副作用が少ない分、効果はマイルドで緩やかに長く作用するのが特長です。
市販薬の中では鼻水を抑える効きめは弱いため「効かない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

市販のアレグラFXと病院でもらうアレグラの違いは?

市販のアレグラFXにも病院で処方されるアレグラ錠60mgにも同じ成分である「フェキソフェナジン」が60mg含有されています。

有効成分が全く同じですので効きめに違いはありません。

市販のアレグラは蕁麻疹やアトピーには効くの?

市販のアレグラは「アレルギー性鼻炎」だけの適応ですが、医療用のアレグラは「蕁麻疹」「アトピー性皮膚炎」「湿疹」にも効果があります。

市販のアレグラも医療用のアレグラも同じ有効成分ですので、市販のアレグラでも蕁麻疹やアトピー性皮膚炎や皮膚の痒みも抑えることができるのです。

しかし「じんましん」や「アトピー性皮膚炎」などの皮膚疾患でアレグラを服用する際は医療機関を受診するようにしましょう。

妊娠・授乳中の服用

医療用のアレグラについては治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとなっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

引用元 アレグラインタビューフォーム

アメリカのFDAでの基準では下記のように位置づけられています。

動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいは、ヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること。

また授乳中の場合、製薬メーカーでの説明書では授乳を中止することとなっています。

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

引用元 アレグラインタビューフォーム

しかし海外の基準ではアレグラは授乳中でも比較的安全に服用できるL2に位置づけられています。

L2 概ね適合(比較的安全):probably compatible 少数例の研究に限られるが、乳児への有害報告なし。リスクの可能性がある根拠はほとんどない。

製薬メーカーの説明書には母乳に少しでも移行すれば「授乳は中止すること」となっていますが、実際はごく少量しか移行せず赤ちゃんに影響がでない薬剤が多くあります。

アレグラについても「授乳を中止しなくていい」と指導されるケースは多くあります。

しかし妊娠中や妊娠の可能性がある場合は、市販薬の購入は避けるようにしましょう。

グレープフルーツ・ジュースとの飲み合わせ

アレグラFXを服用中にグレープフルーツジュースやグレープフルーツを摂取するとアレグラの吸収が低下することが報告されています。

そのため、アレグラを服用中はグレープフルーツやグレープフルーツジュースの摂取は避けるようにしましょう。