辛い鼻づまりの時、市販の点鼻薬を購入されたことはないでしょうか。
スプレーをするとスッキリとすることから、ついつい何度も使ってしまう方が多くみられます。
しかし、この市販の点鼻薬の中で血管収縮剤が入ったものを使いすぎると鼻の血管に負担がかかり、かえって症状が悪化することがあるので注意が必要です。
血管収縮剤の作用機序
鼻がつまった時は鼻の粘膜にあるたくさんの毛細血管が拡張した状態になっています。
そこに血管収縮剤を投与することで鼻の粘膜の毛細血管が収縮し、結果的に鼻がすっきりとするのです。
血管収縮剤の使いすぎが薬剤性鼻炎の原因に
血管収縮剤を使って鼻がすっきりと感じるのは一時的で、すぐに血管が拡張し、また薬を使うといったサイクルに陥ってしまいます。
血管収縮剤を使い続けると、鼻の粘膜が腫れてきて、薬が効かなくなってしまいます。
このような状態を薬剤性鼻炎といわれます。
血管収縮剤の入った点鼻薬(市販薬)
血管収縮剤の入った市販の点鼻薬は下記の通りとなります。
薬品名 | 血管収縮剤の成分名 |
---|---|
ナシビンMスプレー | オキシメタゾリン塩酸塩 |
ナーザルスキット | テトラヒドロゾリン塩酸塩 |
ナザールスプレー | ナファゾリン塩酸塩 |
コールタイジン点鼻液a | 塩酸テトラヒドロゾリン |
新ルル点鼻薬 | ナファゾリン塩酸塩 |
ロートアルガードST鼻炎スプレー | ナファゾリン塩酸塩 |
パブロン点鼻 | ナファゾリン塩酸塩 |
血管収縮剤の入った代表的な薬剤を挙げてみましたが、何かに気づきませんか?
血管収縮剤の成分の名前に何か特徴はないでしょうか?
「〇〇ゾリン」
最後にゾリンがつくのが血管収縮剤なのです。
名前を覚えなくても、血管収縮剤が入っているかどうか一目で見分けることができるのです。薬局やドラッグストアで点鼻薬を購入する時、箱に成分が書かれていますので血管収縮剤が入っているかどうかチェックしましょう。
血管収縮剤の入っていない点鼻薬(市販薬)
血管収縮剤が入っていない市販の点鼻薬は下記の通りです。
薬品名 | 主成分名 | 分類 |
---|---|---|
コンタック鼻炎スプレー | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル | ステロイド |
パブロン鼻炎アタック | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル | ステロイド |
ザジテンAL点鼻スプレー | ケトチフェンフマル酸塩 | 抗アレルギー薬 |
このように血管収縮剤の入っていない点鼻薬はステロイド薬か抗アレルギー薬が主成分となっています。
妊娠中(妊婦)・授乳中への使用
血管収縮剤の点鼻薬について、医療用医薬品では「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。(妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。)」となっています。
妊娠中の場合は自己判断で市販薬の使用は避けるようにしましょう。
また授乳中に関しては、医療用医薬品では添付文書の注意書きはありませんが、主治医や薬剤師に確認して購入するようにしましょう。
花粉のよるアレルギー性鼻炎の市販薬は?
花粉によるアレルギーで長期間使用する場合は血管収縮剤の入っていない点鼻薬の方が鼻の粘膜への負担は少ないと考えます。
どうしても鼻づまりがひどい場合は血管収縮剤の入った点鼻薬を使い、短期間にとどめておくのがよいでしょう。
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