胃粘膜を保護する働きがあるスクラルファート。
病院で処方される医療用医薬品ではアルサルミン細粒・内用液やスクラルファート細粒・顆粒・内用液が存在します。
このスクラルファートが入った市販薬(OTC)がライオンから販売されているスクラート胃腸薬です。
スクラート胃腸薬には錠剤タイプと顆粒タイプがあるのですが、それぞれの成分や効能・効果、使い分けについてまとめてみたいと思います。
スクラートの有効成分・顆粒と錠剤の違い
スクラート胃腸薬の顆粒タイプと、錠剤タイプの一日分の有効成分についてまとめてみました。
スクラート顆粒 | スクラート錠 | |
---|---|---|
スクラルファート (胃粘膜保護・制酸) | 1500mg | 1500mg |
ケイ酸アルミン酸マグネシウム (胃酸を中和) | 1125mg | |
ロートエキス (胃酸分泌抑制) | 30mg | 30mg |
アズレンスルホン酸 (胃粘膜修復) | 6mg | 6mg |
L-グルタミン (胃酸に対する防御) | 400mg | 400mg |
合成ヒドロタルサイト (胃酸中和・粘膜保護) | 270mg | 225mg |
炭酸水素ナトリウム (胃酸中和) | 450mg | |
ジアスメンSS (炭水化物を分解) | 60mg | |
リパーゼAP6 (脂肪を分解) | 60mg |
スクラート胃腸薬の顆粒タイプにも錠剤タイプにも、スクラルファートが一日量で1500mg含有しています。
錠剤と顆粒で大きく異なる点は、錠剤には消化酵素が入っていることです。
錠剤には炭水化物を分解するジアスメンSSや、脂肪を分解するリパーゼAP6が入っています。
食べ過ぎてもたれる場合はスクラート胃腸薬の錠剤がオススメ
まずスクラート胃腸薬の顆粒タイプの効能・効果は下記の通りです。
スクラート胃腸薬顆粒の効能・効果
胃痛、もたれ(胃もたれ)、胸やけ、胃酸過多、げっぷ(おくび)、胃重、胃部膨満感、胃部不快感、胸つかえ、飲み過ぎ(過飲)、はきけ(むかつき、二日酔・悪酔のむかつき、胃のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐
スクラート胃腸薬の錠剤タイプの効能・効果は下記の通りで、錠剤には顆粒と異なり消化酵素が入っているため食べ過ぎ・消化不良などの効能・効果がプラスであります。
スクラート胃腸薬錠剤の効能・効果
胃痛、もたれ(胃もたれ)、胸やけ、胃酸過多、げっぷ(おくび)、胃重、胃部膨満感、胃部不快感、胸つかえ、食べ過ぎ(過食)消化不良、消化不良による胃部・腹部膨満感、消化促進、食欲不振(食欲減退))、飲み過ぎ(過飲)、はきけ(むかつき、二日酔・悪酔のむかつき、胃のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐
食べ過ぎて胃がもたれている、なんとなく消化がされていない、脂っこい食事を摂りすぎた場合は、消化酵素の入った錠剤タイプがオススメです。
生薬が含有したスクラート胃腸薬S
健胃作用のある生薬を配合した、スクラート胃腸薬Sがスクラートシリーズから販売されています。 Sタイプは錠剤も顆粒も同じ成分が同じ量入っており、消化酵素も入っています。
授乳中にロートエキスは要注意
授乳中にスクラート胃腸薬を服用する場合、授乳を中止しなければいけません。
理由はスクラート胃腸薬に含まれる、胃酸分泌を抑えるロートエキスが母乳に移行し、赤ちゃんの脈が速くなったり、母乳そのものが出にくくなることが報告されているからです。
医療用医薬品のロートエキスの説明書では下記のような注意書きがあります。
胎児又は新生児に頻脈等を起こすことがあるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。また、乳汁分泌が抑制されることがある。