やけどなどの傷跡を修復したり、保湿作用のある市販薬が小林製薬から販売されているアットノンです。

アットノンについて薬局で聞かれる質問を中心にまとめてみました。

アットノンはヒルドイドの市販薬

アットノンには

有効成分であるヘパリン類似物質が100g中0.3g入っています。

実はインターネットでも話題のヒルドイドと全く同じ有効成分で同じ濃度となっています。

ステロイドは入っていない非ステロイドの塗り薬です。

効能・効果

アットノンの効能・効果は下記のとおりです。

きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手指の荒れ、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛

 

作用機序

アットノンの有効成分であるヘパリン類似物質には下記の3つの作用があります。

血行促進作用
水分保持作用
抗炎症作用

少し専門的は話になりますが作用機序について解説します。

血行促進作用

血液を凝固させるフィブリノーゲンの作用抑制により血液凝固阻止作用をもちます。

水分保持作用

構成成分である酸性ムコ多糖類の強い水分吸着能により高い保湿性を示します。

抗炎症作用

蛋白分解酵素やヒアルロニダーゼの活性を抑制すると同時に局所の血行やリンパ流を亢進することにより、抗炎症作用を有します。

シミや色素沈着には効果ある?

アットノンの有効成分であるヘパリン類似物質はしみや色素沈着の原因となるメラニンを分解する作用はないため、しみには効果はありません。

ほくろに効く?

ホクロを消したいと時々聞かれることがありますが、アットノンはメラニンに作用しないためホクロを薄くする作用はありません。

医療用、市販薬共にホクロを消す塗り薬はなく、ホクロを消したい場合は皮膚科や美容皮膚科でレーザーなどの外科的治療となります。

キスマークにも効く?

アットノンの有効成分であるヘパリン類似物質は血行促進作用や抗炎症作用があります。

そのためキスマークのようなうっ血や炎症を抑える働きがあると考えられます。実は医療用のヒルドイドもキスマークを外傷後の腫脹・血腫として扱い処方されることがあります。

ニキビに効く?

ニキビはアクネ菌やブドウ球菌といった細菌が原因となります。
アットノンの有効成分であるヘパリン類似物質は細菌を抑える作用はないため、ニキビそのものには効果はありません。

顔には使用できる?

アットノンはヒルドイドと同様に顔に使用はできますが、皮膚の薄い口周りや目の周り、鼻の粘膜などに刺激を与えてしまいますので避けなければいけません。

ジェル・クリーム・コンシーラー・ローション使い分け

アットノンには

アットノンジェル
アットノンクリーム
アットノンコンシーラー
アットノンローション

の4つのタイプがあります。

ジェルタイプの特徴

・透明のジェルタイプ
・洋服に色を付けたくない場合にオススメ
・どんな場所でも無難に使える

クリームタイプの特徴

・保湿を目的にする場合はクリームがオススメ
・ヒルドイドソフト軟膏に似た薬を求める場合

コンシーラータイプの特徴

・肌色のクリームタイプ
・露出のある傷後にオススメ

ローションタイプの特徴

・範囲が広い場合に適している
・クリームほどしっとりさせたくない場合