寝つきが悪い時などの睡眠障害に処方される睡眠薬がルネスタ(成分名:エスゾピクロン)です。
ルネスタはエスゾピクロンが1mg、2mg、3mg入った3種類の規格が存在します。
ルネスタは超短時間型に分類される睡眠薬なのですが、アモバン(成分名:ゾピクロン)という睡眠薬の副作用である苦味を軽減し、改良されたものになります。
ルネスタについて、薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
効果が発現するまでの時間・持続時間
ルネスタは飲み始めてから15~30分ほどで効果がでてきます。
薬の濃度が最大になるまでの時間をtmax(ティーマックス)というのですが、ルネスタのtmaxは下記の通りです。
規格 | tmax |
---|---|
1mg | 1.3hr |
2mg | 1hr |
3mg | 1.5hr |
また薬の濃度が半分に分解されるまでの時間を半減期またはt1/2(ティーハーフ)というのですが、ルネスタの半減期は5~6時間といわれています。
たとえば、ルネスタ2mgを服用すると1時間ほどで最大の血中濃度に達し、その後5時間おきくらいに薬の濃度が半分に減っていきます。
持続時間についてメーカーは発表していませんが、実際に服用する患者さんの感想では4~6時間くらいだと感じています。
苦味は軽減したが味覚異常の副作用が最も多い
ルネスタはアモバン(ゾピクロン)という睡眠薬の副作用である「苦味」が軽減されたお薬です。
しかし副作用として味覚異常が多くでることが報告されています。
承認時までに国内並行群間比較試験でエスゾピクロンとして1mg、2mg 又は3mgを投与された不眠症患者325例中、副作用が報告されたのは156例(48.0%)であり、主な副作用は、味覚異常(36.3%)、傾眠(3.7%)であった。
引用元 ルネスタインタビューフォーム
もし口の苦味や、味が変に感じることが続く場合は、味覚に影響しない睡眠薬もありますので切り替えてもらうことをオススメします。
お酒(アルコール)との飲み合わせ
「お酒を飲んだ時にルネスタを服用してもいい?」
患者さんから時々聞かれる質問です。
製薬メーカーの説明書(添付文書)では、アルコールとルネスタとの飲み合わせは「相互に作用を増強することがある」と併用を注意することとなっています。
絶対にお酒を避けないといけないわけではないですが、お酒を飲んだ時にルネスタを服用する場合、ふらつきなどが強く現れることがありますので、夜中にトイレに行く際など注意しましょう。
食事との影響
「夜食を食べるけど食後にルネスタ飲んでもいい?」
という質問を受けることがあります。
ルネスタを食後に飲むと、最大血中濃度に達する時間が2.5時間遅延すると製薬メーカーが報告しています。
また食後に服用すると最大血中濃度(Cmax)も低下してしまいます。
食後に服用すると効き目を感じるまでの時間が遅れ、また最大最大血中濃度も低下することから極力空腹時に服用した方がいいでしょう。
向精神薬の規制対象?処方日数制限はある?
2016年にアモバン(ゾピクロン)が第三種向精神薬の規制対象となり30日処方制限となりました。
ルネスタについては向精神薬の指定を受けないため、処方制限もありません。