寝つきが悪い時などに処方される短時間型の睡眠薬がリスミー(成分名:リルマザホン塩酸塩)です。

リスミーにはリルマザホン塩酸塩が1mgと2mg入った2種類の規格が存在します。

リスミー2mg

出典 塩野義製薬


「リスミーはどれくらいで効果発現するの?」
「依存性はある?」

患者さんから聞かれる質問を中心にリスミーについてまとめてみました。

ジェネリック医薬品・効かない?

リスミーのジェネリック医薬品は塩酸リルマザホン「MEEK」という名前で明治製菓ファルマさんから販売されています。

医療費の削減のためにジェネリックの普及率が高くなっていることから、先発品のリスミーよりもジェネリック医薬品の塩酸リルマザホンの方が多く使われるイメージがあります。

先発品とジェネリックに違いはある?
リスミーとジェネリック医薬品は有効成分は全く同じですが、添加物が異なります。

そのため、効果に差を感じる方も稀にいらっしゃいますが、塩酸リルマザホンに関しては「ジェネリックに変えて効かなくなった」と訴える患者さんは少ないです。

効果がでるまでの時間・持続時間

リスミー(塩酸リルマザホン)は服用して30分~1時間で効果がでてきます。

薬が最大濃度にまで達する時間をtmax(ティーマックス)というのですが、リスミーのtmaxは3時間となっています。

また薬が半分に分解されるまでの時間を半減期またはt1/2(ティーハーフ)と呼ぶのですが、リスミーの半減期は10.5時間となっています。

つまり、リスミーは服用して30~60分で効き始め、3時間後に最大濃度に達し、その後、10時間で薬の濃度が半分にまで分解されます。

実際のリスミーの持続時間は7~8時間となっています。

リスミーは向精神薬ではない理由

ほとんどの睡眠薬は向精神薬として規制を受けています。

同じ短時間型のレンドルミンは向精神薬の対象となり1回の処方で30日以上処方することができません。

しかしリスミー(塩酸リルマザホン)に関しては、向精神薬の規制対象となっていません。

そのため薬局では睡眠薬にも関わらず、向精神薬の引き出しに保管しなくてもよいとされています。

なぜリスミーが向精神薬に指定されていないかについてですが、日本の向精神薬の規制はアメリカのFDAが基準となっています。

アメリカではリスミー(塩酸リルマザホン)が発売されていないことから、規制の対象となっていないのです。

しかし、作用機序は他の睡眠薬と同じベンゾジアゼピン系で、乱用や過剰服用が問題である危険な薬には変わりありません。

依存性・離脱症状について

リスミー(塩酸リルマザホン)ずっと飲んでるけど依存性ある?

と患者さんに聞かれることが多くあります。

特に長期連用した場合や必要以上に服用した場合に依存性がでることが報告されています。

薬物依存(0.1%未満)を生じることがあるので,観察を十分に行い慎重に投与すること。連用する場合には特に注意すること。

引用元 リスミーインタビューフォーム

また、長期で連用して急に減量した場合、痙攣や幻覚などの離脱症状がでることが報告されています。

大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,痙攣発作(0.1%未満),譫妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の離脱症状(0.1~5%未満)があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと

引用元 リスミーインタビューフォーム

長期で服用している際、自分の判断で急に中止したり減量するのではなく、主治医の指導のもと徐々に減らしていきましょう。