風邪の時に処方される総合感冒薬がピーエイ配合錠です。

抗生物質とも併用で処方されることがあります。

ピーエイ配合錠について、薬局で患者さんから聞かれる質問についてまとめました。

ピーエイ配合錠に関わる疑問を少しでも解決できると幸いです。

効能・効果

ピーエイ配合錠の効能・効果です。

感冒もしくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和
鼻汁、鼻閉、咽・喉頭痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、発熱

 

有効成分・作用機序

有効成分
作用
配合量
1錠中
サリチルアミド
解熱鎮痛
135mg 
アセトアミノフェン
解熱鎮痛
75mg 
無水カフェイン
鎮痛作用増強
30mg 
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩
鼻水
6.75mg 

サリチルアミドの作用機序
サリチルアミドは非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)と呼ばれ、熱や痛みの原因となるプロスタグランジンPGE2)の生成を抑えることで、鎮痛・抗炎症作用を示します。
また視床下部にも作用し熱を下げる働きもあります。

アセトアミノフェンの作用機序
アセトアミノフェンは体温調節中枢に作用し、異常に上昇した体温を正常に戻す作用があります。

カフェインの作用機序
カフェインを入れることで眠気を軽減させ、解熱鎮痛作用を増強させる働きがあります。またカフェインは脳の血管を収縮させる働きもあり頭痛を和らげる働きもあります。

プロメタジンメチレンジサリチル酸塩の作用機序
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗ヒスタミン薬と呼ばれ鼻水を抑える働きがあります。

ヒスタミン受容体にヒスタミンが結合すると鼻水やくしゃみがでるのですが、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩はヒスタミン受容体にヒスタミンが結合するのをブロックし鼻水を抑えます。

効果のでる時間(Tmax・即効性)

「ピーエイは服用してどれくらいで効いてくる?」

薬局で時々聞かれることがあります。

ピーエイ配合錠は4つの成分が入っているため、一概に何時間で効果が最大になるとはいえません。

しかしそれぞれの成分について、どれくらいの時間で効果が最大になるかの指標があります。

薬を服用して血中濃度が最大になるまでの時間をTmax(ティーマックス)といいます。

それぞれの成分のTmaxです。

有効成分Tmax
サリチルアミド0.92hr
アセトアミノフェン0.83hr
無水カフェイン0.88hr
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩3.92hr

 

解熱鎮痛作用のサリチルアミドとアセトアミノフェンは約1時間で効果が最大となります。

鼻水を抑える作用は4時間後に効果が最大となります。

痛みや熱を抑える作用は即効性がありますが、鼻水を抑える作用は後からじわじわ効くのが特徴です。

PL顆粒との違い

風邪の時によく処方されるPL顆粒とピーエイ配合錠はまったく同じ成分が入っています。

ピーエイ錠2錠分がPL顆粒1包分と同じとなります。

つまりPL顆粒を1回1包を毎食後服用する場合は、ピーエイを1回2錠毎食後で服用することとなります。

・粉が苦手な場合に、PL顆粒からピーエイ錠に切り替わる
・錠剤が飲めない場合に、ピーエイ錠からPL顆粒に切り替わる

ケースがあります。

ピリン系ですか?

ピーエイは非ピリン系の総合感冒薬です。
ピリン系アレルギーがある方でも服用が可能です。

お酒(アルコール)は併用していい?

アルコールとピーエイ配合錠を併用すると、鼻水を抑える「プロメタジンメチレンジサリチル酸塩」とアルコールによる中枢神経の抑制作用が増強し、眠気やふらつきが強くでることがあります。

絶対にお酒を飲んではいけないわけではないですが、極力控えるようにしましょう。

妊娠中(妊婦)の服用

妊娠12週以内と妊娠後期(28週以降)の場合、「治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与すること」となっています。

妊婦(12週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形作用が、また、ヒトで、妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。〕

妊娠後期の婦人へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮をおこすことがある。

引用元 ピーエイ インタビューフォーム

特に妊娠後期には慎重に服用しなければいけません

授乳中の服用

授乳中の場合、ピーエイを長期に連用することは避けなければいけません。

風邪など短期間での服用であれば赤ちゃんへの影響はほとんどないと考えられます。

授乳婦には長期連用を避けること。〔本剤中のカフェインは母乳中に容易に移行する。〕

引用元 ピーエイ添付文書

ロキソニン・カロナール・コカールの併用は大丈夫?

ピーエイ配合錠が処方されている方から、

ロキソニン(ロキソプロフェン)は併用しても大丈夫?」
「カロナールやコカールの飲み合わせは?」

と聞かれることがあります。

ピーエイ配合錠を服用しても熱が下がらない時など、頓服で処方されることがあり、飲み合わせは特に問題ありません。

カロナールやコカールなどのアセトアミノフェン製剤については、解熱目的の場合は1日の合計が1500mgまでとなっています。

ピーエイ配合錠には1錠中にアセトアミノフェンが75mg入っていますので1日6錠服用する場合、アセトアミノフェンは残り450mgしか服用できませんので注意しましょう。