血液中のカリウムは腎臓によって調節されています。
腎臓の働きが悪くなると、腎臓からのカリウムの排泄が悪くなります。
カリウムの多い食事や、インスリンの作用不足などが引き金となって高カリウム血症となってしまいます。
血清カリウムが高くなると不整脈や手足のしびれ、呼吸麻痺などの症状が現れるため、カリウムのコントロールは重要です。
急性or慢性腎不全による高カリウム血症に処方されるのがカリメート散です。
カリメート散を処方された方から薬局で相談を受けるのが
「まずい・・・」
「飲みにくい・・・」
といった味や飲み方に関する相談です。
カリメート散について味や特徴、少しでも飲みやすくなる方法について解説していきます。
味
カリメート散は無味・無臭で味もにおいもありません。
作用機序(メカニズム)
カリメート散はカリウムを便から排泄させることで血中カリウム値を低下させます。
カリメート散の有効成分であるポリスチレンスルホン酸カルシウムは消化管で吸収されることなく、腸管の中のカリウムイオンとカルシウムイオンとを交換させ、便からカリウムイオンを排泄させます。
このような作用からカリメート散の有効成分であるポリスチレンスルホン酸カルシウムは陽イオン交換樹脂と呼ばれます。
飲み方・水で混ぜる理由
カリメート散は口から服用する経口投与と、おしりから注射する注腸投与の方法で投与します。
ここでは経口投与について解説します。
通常の用法・用量はこのようになっています。
通常成人は1日15~30gを2~3回にわけ、その1回量を水30~50mLに懸濁し経口投与する。 なお、症状により適宜増減する。
水で懸濁する理由ですが、カリメート散は水分に触れると湿潤熱といって少し熱を放つため、直接口に入れて服用するのは推奨されていません。
また表面積を増やすために水に溶かすのが良いとされています。
水でかき混ぜて時間が経つと薬が沈殿していきますので、かき混ぜてすぐに服用するか、ゆっくり服用する場合はかき混ぜながら服用しましょう。
まずくて飲めない場合
カリメート散は味もなく、砂を飲んでいるような感覚になるかと思います。
「水に溶かすだけではどうしても飲めない・・・」
という方のためにいくつか飲みやすくなる方法をピックアップします。
- ヨーグルトに混ぜる
- ゼリーに混ぜる
- ご飯などに振りかける
- ホットケーキの生地に混ぜて焼く
カリメート散は何かに混ぜて構造が変化するものではありませんので、基本的には何に混ぜても問題ないかと考えられます。
混ぜる際は、表面積を減少させないためにも粉が塊にならないように注意してください。
どうしても服用できない場合は、液体タイプのカリメート経口液(オレンジ風味or無風味の2バージョン)もありますので主治医に相談してみてください。