「もの忘れ」には大きく2つに分類されます。
- 年をとっていく中で加齢による「もの忘れ」
- 認知症などの病気による「記憶障害」
単なる加齢による「もの忘れ」と、病気による「記憶障害」には特徴的な違いがあります。
加齢による「もの忘れ」と病気による「記憶障害」の違い
もの忘れ | 記憶障害 | |
---|---|---|
忘れ方 | 体験の一部を忘れる 例 結婚式で何を食べたか忘れる | 体験したことの全体を忘れる 例 結婚式に出席したこと自体を忘れる |
自覚 | もの忘れの自覚がある | もの忘れの自覚がない |
日常生活 | 支障あり | 支障なし |
進行 | なし | 悪化する |
加齢による「もの忘れ」と、病気による「記憶障害」は大きく違いがあります。
一番特徴的なのが忘れ方です。
加齢によるもの忘れは「体験の一部」を忘れますが、病気による記憶障害では「体験そのもの」を忘れてしまいます。
例えば、
加齢による「もの忘れ」では親戚の結婚式に出席した時、何を食べたか思い出せないのに対して、
認知症などの「記憶障害」では結婚式に参加したこと自体を忘れてしまいます。
また加齢による「物忘れ」は自覚症状がありますが、病気による「記憶障害」では自覚症状がありません。
「私最近もの忘れが激しい。認知症かしら?」
と、自分で自覚している場合は病気でなくただの「もの忘れ」の可能性が高いのです。
また病気による「記憶障害」は時間の経過とともに悪化していきますので、早めの受診が必要です。
記憶障害の原因疾患「認知症の種類」
記憶障害の原因疾患の一つに認知症があります。
認知症にはいくつかの種類がありますが、
- アルツハイマー型認知症
- レビー小型認知症
- 脳血管性認知症
の3つが全体の90%を占めると言われています。
認知症の種類 | 特徴 |
---|---|
アルツハイマー型認知症 | 中年期以降に発症 認知症の中で最も頻度が高い |
レビー小体型認知症 | 中年期以降に発症 脳の中にレビー小体というたんぱく質が集まり神経細胞が壊れることが原因 パーキンソン症候群を伴う |
脳血管性認知症 | 脳出血や脳梗塞が原因 |