入眠障害に処方される睡眠薬がアモバン(成分名:ゾピクロン)です。
アモバンにはゾピクロンが7.5mgと10mg入った2種類の規格が存在します。
アモバンを処方された患者さんから
「アモバンはどれくらいの時間効く?」
「口の中が苦くなるけど副作用?」
「ジェネリック医薬品は効かないの?」
といった質問を受けることがあります。
アモバンを処方される患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
アモバン(ゾピクロン)は向精神薬でない理由
マイスリーやハルシオン、レンドルミンなどほとんどの睡眠薬は向精神薬に分類されています。
しかしアモバン(ゾピクロン)は向精神薬として分類されていません。
アモバンが向精神薬に分類されない理由は、日本の向精神薬の規制はアメリカのFDAが基準になっているのですが、アメリカではアモバンが販売されておらずFDAの規制対象となっていないからです。
そのため薬局ではアモバンは向精神薬の棚で保管しなくてもよく、通常、向精神薬は30日までしか処方できないのですが、アモバンは処方制限を受けません。
※2016年10月14日よりアモバン(ゾピクロン)は第三種向精神薬に指定され、2016年11月1日より30日の処方制限対象薬となりました。
ジェネリック医薬品との違い・効かない?
アモバンからはジェネリック医薬品が多く発売されています。
ゾピクロン+メーカー名の名前でトーワ薬品、サワイ製薬、アメルなどから発売されています。
アモバンとジェネリック医薬品は有効成分はまったく同じですが、添加物は異なります。
そのためジェネリック医薬品に切り替えて、
「効かなくなった」
と訴える患者さんがいらっしゃいます。
特に睡眠薬は思い込みにも左右されることがありますので
「ジェネリック医薬品=効かない」
と思い込む患者さんが効かないと訴える傾向にあります。
効くまでの時間・持続時間
「アモバンはどれくらいで効いてくる?」
「持続時間はどれくらい?」
アモバンが処方された患者さんからよく受ける質問です。
アモバン(ゾピクロン)は服用して15~30分で効き始めます。
薬の濃度が最大になるまでの時間をtmax(ティーマックス)というのですが、アモバンのtmaxは1.17時間で、飲み始めて約70分で効果が最大となります。
薬が半分にまで分解される時間を半減期というのですが、アモバンの半減期は7.5mgが3.66hr、10mgが3.94hrとなっています。
持続時間ですが製薬メーカーのデータはありませんが、実際に服用されている患者さんの実感では4~6時間くらいと感じています。
アモバンは超短時間型睡眠薬として位置づけられており、翌日の朝に薬が残りにくいのが特徴です。
その他の超短時間型の睡眠薬としてマイスリーやハルシオンがあります。
副作用は口の中の苦み
「アモバンを飲むと口の中が苦くなる・・・」
と訴える患者さんが多くいます。
アモバンの一番多い副作用は苦みです。
製薬メーカーの説明書に記載されている主な副作用は下記の通りになっています。
総症例11,677例中、831例(7.12%)、1,026件に副作用が認められた。主な副作用は、にがみ 488件(4.18%)、ふらつき104件(0.89%)、眠気60件(0.51%)、口渇56件(0.48%)、けん怠感 48件(0.41%)、頭重26件(0.22%)、頭痛22件(0.19%)、嘔気22件(0.19%)、不快感15件 (0.13%)、めまい14件(0.12%)等であった。(再審査終了時)
引用元 アモバンインタビューフォーム
苦みの確率は4.18%となっていますが、実際にはもっと多くの方が苦みを感じる傾向にあります。
アモバンの苦みを改良した薬がルネスタ(成分名:エスゾピクロン)という名前で販売されています。