湿疹や皮膚の炎症に処方されるステロイドがフルコートです。
フルコートには軟膏、クリーム、外用液、スプレーの4つの規格があります。
また抗菌薬が配合されたフルコートFも存在します。
規格・フルコートFとの違い
フルコートはステロイドである「フルオシノロンアセトニド」のみが入っていますが、抗菌薬である「フラジオマイシン硫酸塩」を加えたものがフルコートFです。
フラジオマイシン硫酸塩(Fradiomycin Sulfate)の頭文字をとって「F」という名前がついています。
商品名 | 有効成分(1g中含有量) |
---|---|
フルコートクリーム | フルオシノロンアセトニド(0.25mg) ステロイド |
フルコート軟膏 | フルオシノロンアセトニド(0.25mg) ステロイド |
フルコート外用液 | フルオシノロンアセトニド(0.1mg) ステロイド |
フルコートスプレー | フルオシノロンアセトニド(0.07mg) ステロイド |
フルコートF軟膏 | フルオシノロンアセトニド(0.25mg) フラジオマイシン硫酸塩(3.5mg) ステロイド+抗生物質 |
効能・効果
フルコートとフルコートFの効能・効果です。
抗菌薬の配合されたフルコートFは細菌感染時や二次感染予防目的で処方されます。
フルコート効能・効果
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,女子顔面黒皮症,ビダール苔癬,放射線皮膚炎,日光皮膚炎を含む),皮膚掻痒症,痒疹群(じん麻疹様苔癬,ストロフルス,固定じん麻疹を含む),虫さされ,乾癬,掌蹠膿疱症,薬疹・中毒疹
フルコートF効能・効果
・深在性皮膚感染症,慢性膿皮症
・湿潤,びらん,結痂を伴うか,又は二次感染を併発している次の疾患:
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,ビダール苔癬,放射線皮膚炎,日光皮膚炎を含む),乾癬,皮膚そう痒症(陰部・肛門部),掌蹠膿疱症
・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
ステロイドの強さ・強度
ステロイドのランクには
ストロンゲスト(最も強い)
ベリーストロング(とても強い)
ストロング(強い)
マイルド(優しい)
ウィーク(弱い)
と5段階に分かれるのですがフルコートの成分であるフルオシノロンアセトニドはストロング(強い)に位置づけられています。
妊娠・授乳中の使用
妊婦さんの使用について製薬メーカーの説明書では「長期間、大量の使用を避けること」との注意書きがあります。
妊娠又は妊娠している可能性のある婦人に対しては,大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。
〔動物実験(連日皮下投与)で催奇形作用(マウス:外形異常),胎児異常(ラット,マウス:生存率低下,発育抑制)があらわれたとの報告がある。〕引用元 フルコートインタビューフォーム
授乳中の使用について添付文書での注意書きは特にありません。
市販薬はある?
フルコートの市販薬はありませんが、フルコートF軟膏の市販薬は存在します。
病院で処方される医療用のフルコートFと有効成分の濃度は同じですが、効能・効果に違いがあります。
市販のフルコートF効能・効果
化膿を伴う次の諸症
湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん
化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)