結膜炎や麦粒腫(ものもらい)に処方される抗菌薬の目薬がガチフロ点眼液(一般名:ガチフロキサシン水和物)です。

ガチフロ点眼液について薬局で患者さんから聞かれる内容をまとめました。

効能・効果

ガチフロ点眼液はキノロン系抗菌薬といわれ抗菌力を示す菌が多いのが特徴です。

〈適応菌種〉
ガチフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ (ブランハメラ)・カタラーリス、コリネバクテリウム属、シトロバクター属、クレブシエラ 属、セラチア属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、 スフィンゴモナス・パウチモビリス、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌

 

〈適応症〉
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫(ものもらい)、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

結膜炎やものもらいなどの細菌感染だけでなく、目の手術前の感染防止目的で処方されることもあります。

コンタクトレンズの上から点眼は可能?

ガチフロ点眼液には防腐剤であるベンザルコニウム塩化物が入っていないため、コンタクトレンズの上から点眼しても問題のない目薬と考えられます。

ベンザルコニウム塩化物が入っているとソフトコンタクトレンズに吸着し、角膜に炎症が起こってしまうためです。

ガチフロ点眼液は防腐剤のベンザルコニウム塩化物が入っていませんが、細菌感染時はコンタクトレンズ自体の装着を避けた方がいいでしょう。

コンタクトレンズの装着について主治医の指示に従うようにしましょう。

妊娠中・授乳中の使用

ガチフロ点眼液の妊婦さんや授乳中の使用について製薬メーカーの説明書では下記のようになっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中及び授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]

引用元 ガチフロ点眼液 インタビューフォーム

妊婦さんや授乳中に処方された場合は全身に吸収されるのを極力抑えるために点眼後は目を閉じて涙囊部(目と鼻の間)を数分間押さえるようにしましょう。

具体的な内容はこちらにまとめています。

目薬をさした後に涙囊部(目頭)をおさえる理由

開封後の期限は?

一般的に目薬は開封した後1ヶ月以内で使い切るか廃棄するようにとされています。
たとえ使用期限内であっても開封して1ヶ月経った場合は廃棄するようにしましょう。
 

フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)との併用・順番

目の炎症を抑えるステロイド薬であるフルメトロン点眼液(一般名:フルオロメトロン)と併用で処方されることがあります。

フルメトロン点眼液は「懸濁性」の目薬のため、ガチフロ点眼液と併用する場合はガチフロ点眼液を使用した後、5分間隔をあけてフルメトロン点眼液を使用するのが一般的な使用方法になります。

主治医から指示がある場合はそちらに従うようにしてください。