ヘルペスウイルスによる角膜炎に処方されるのがゾビラックス眼軟膏です。

ゾビラックス眼軟膏について作用機序や使い方についてまとめました。

有効成分

ゾビラックス眼軟膏には1g中に抗ウイルス薬のアシクロビルが30mg含有されています。

ジェネリック医薬品(アシクロビル・ビルレクス眼軟膏)

ゾビラックス眼軟膏には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。

  • アシクロビル眼軟膏「ニットー」
  • ビルレクス眼軟膏

有効成分や効能・効果はまったく同じとなっています。

最近は国のジェネリック医薬品普及政策もあり、ジェネリック医薬品で処方されるケースが増えてきています。

作用機序(メカニズム)

ゾビラックスの有効成分であるアシクロビルは単純ヘルペスに感染した細胞に入ることで初めて効果を発揮し、ヘルペスウイルスのDNAの複製を阻止します。

ここからは専門的は話になりますが、アシクロビルはヘルペスウイルスに感染した細胞に入り活性体のアシクロビル三リン酸(ACV-TP)に姿を変えます。

アシクロビル三リン酸(ACV-TP)はヘルペスウイルスのDNAに取り込まれ、DNAの複製を阻害する作用があります。

ヘルペスウイルスに感染した細胞内だけで効果を発揮するため、正常な細胞にはほとんど悪影響がないのが特徴です。

使い方・塗り方

目の中に使うように指示された場合の使い方について説明します。

まず、手を石鹸で洗います。

そのあと、利き手でない方の人差し指で下まぶたをひっぱり、下まぶたの内側に直接容器のまま薬をつけます。

容器の先が目につかないように注意しましょう。

綿棒でつけてもいいですが直接つける方が使いやすいです。

使う量や範囲ですが、下瞼の内側に横に細長く塗るのが一般的な使い方になります。

眼軟膏使い方
絵心が無くてスミマセン。

そのまま目を閉じると軟膏が目の中に広がります。

ティッシュで軽く瞼を数分抑えたあと、目の周りに付いた薬を拭き取ってください。

ゾビラックス眼軟膏は通常は1日5回で使用します。

コンタクトレンズは装着して使用していい?

ゾビラックス眼軟膏はコンタクトレンズに付着する可能性があることから、眼軟膏を使用中はコンタクトレンズの装着は避けることとされています。

妊娠・授乳中の使用

製薬メーカーの資料によると妊婦さんには「治療上の有益性が危険性を上回る場合に使用すること」とされています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎児に頭部及び尾の異常が認められたと報告されている。

引用元 ゾビラックス眼軟膏 インタビューフォーム

授乳中については添付文書に注意書きはなく、「授乳を中止しなくてもいい」と指導されるケースがあります。

またゾビラックス眼軟膏の授乳中の使用について海外の基準ではL2の比較的安全に位置付けられています。

L2 概ね適合(比較的安全):probably compatible
少数例の研究に限られるが、乳児への有害報告なし。リスクの可能性がある根拠はほとんどない。

引用元 Medications and Mothers’ Milk 2014基準