統合失調症や双極性障害における躁症状、うつ症状で処方される薬がジプレキサ(成分名:オランザピン)です。
最近ではオランザピン錠+メーカー名の名前のジェネリック医薬品での処方が増えてきました。
ジプレキサ(オランザピン)を服用される方から一番多い相談は
「薬を飲み始めて体重が増えた」
「食事の量は変わらないのに太った」
です。
なぜジプレキサ(オランザピン)で体重増加が起こるのか、体重増加が起こる理由・メカニズムについてまとめてみました。
体重増加の副作用の頻度
疾患によって体重増加の頻度が変わってきます。販売元の製薬メーカーであるイーライリリー社が行った調査では下記の通りになっています。
統合失調症の治療中の体重増加の発現率
7.71%
双極性障害における躁状態治療中の体重増加の発現率
14.0%
双極性障害におけるうつ症状治療中の体重増加の発現率
26.4%
体重増加が起こる理由・作用機序
ジプレキサ(オランザピン)は脳内の様々な神経伝達物質の受容体に作用して、そのバランスを整えます。
その中でヒスタミン受容体(H1)を遮断したり、セロトニン5HT2c受容体を遮断する作用があるのですが、H1受容体や5HT2c受容体を遮断することで、食欲が亢進したり、脂肪組織そのものを増大させるグレリンという物質が分泌されてしまいます。
そのため「食事の量が変わらないのに体重が増えた」といった現象が出てきてしまいます。
体重増加の予防・対策
ジプレキサの体重増加は食欲が亢進すること、脂肪組織そのものが増大することが原因です。
食欲の亢進に関しては脂肪分の多いものを極力避けることで体重増加を最小限に抑えることが可能です。
しかし、どうしても体重増加が気になる場合は、体重増加の起こしにくいエビリファイといったお薬に変更されるケースもあります。