中耳炎などに優れた効果を発揮するのがオゼックス小児用細粒(成分名:トスフロキサシントシル酸塩水和物)です。

オゼックス

出典 大正富山医薬品


オゼックスが最初から処方されるケースはあまりないですが、中耳炎がなかなか治らない、慢性化している時にトドメの抗生物質として処方されます。

僕が現場で薬剤師として従事している中で、オゼックスに関する相談事項をまとめてみました。

どんな味がするのか?

オゼックス小児用細粒はイチゴ風味となっており抗生物質の中でも飲みやすいです。

発売元のメーカーが実験したデータでも「飲みやすい」という結果がでているそうです。

オゼックス細粒小児用15%の小児臨床試験における服用性は、評価された172例のうち「非常に飲みやすい」が91例(52.9%)「飲みやすい」が80例(46.5%)であり「飲みやすい」以上と判定された患者は全体の99.4%であった。

混ぜるといいものは?

オゼックスは飲みやすい味がついていますので、ぬるま湯に溶かせば美味しく服用できます。
どうしても水で飲めない場合は、バニラアイスクリームプリンイチゴジャムなどがオススメです。

テオフィリン(テオドール)との併用

お子さんの場合、気管支喘息などで処方される「テオフィリン製剤」をオゼックスと併用すると、テオフィリン製剤の濃度が上昇し手の震え、動悸、頭痛、吐き気などの副作用が強く現れることがあります。

主なテオフィリン製剤

  • テオドール顆粒
  • テオドールドライシロップ
  • テオドールシロップ
  • テオロング顆粒
  • スロービッド顆粒

下記にメーカーの資料を抜粋します。

健康成人にテオフィリン1日400mgとトスフロキサシントシル酸塩水和物(錠剤)1日450mgを併用したところ、テオフィリンの最高血中濃度は、併用3日目で1.13倍、5日目では1.23倍の上昇を示したとの報告がある。

酸化マグネシウム・鉄・カルシウムとの併用

アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤、鉄剤、カルシウム含有製剤とオゼックスを併用すると吸収が低下しますので、同時に服用するのは避けるようにしましょう。
最低でも2時間は間隔をあけるようにしてください。

牛乳に混ぜたらダメ?

牛乳にはカルシウムが含まれていますので、オゼックス細粒と同時に服用するのは避けた方がよいと考えられます。

副作用は?

特にお子さんで多い副作用は下痢嘔吐です。

メーカーの副作用データでは下痢が5.53% 嘔吐4.26%の確率で報告されています。
副作用の頻度としては高く、下痢や嘔吐は非常に高い確率でおこります。

下痢になった場合は?

水のような透明な下痢になった場合、一旦服用を中止して主治医や薬剤師に相談するのがよいでしょう。

詳しく知りたい方へ

オゼックスについてより詳しく知りたい方へ、オゼックス細粒に適応のある菌と適応症、用法・用量について記載します。

オゼックス細粒の適応菌・適応症

適応菌
トスフロキサシンに感性の肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、 モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌 、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

適応症
肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽

オゼックス細粒の用法・用量

 

通常、小児に対してはトスフロキサシントシル酸塩水和物として1日12mg/kg(トスフロキサシンとして8.2mg/kg)を2回に分けて経口投与する。ただし、1回180mg1日360mg (トスフロキサシンとして1回122.4mg1日244.8mg)を超えないこととする。

※オゼックス細粒小児用15%は、1g中にトスフロキサシントシル酸塩水和物が150mg含まれています。