夜間や早朝に目が覚める場合や、ぐっすり眠れない熟眠障害に処方される睡眠薬がロヒプノール(成分名:フルニトラゼパム)です。
ロヒプノールはフルニトラゼパムが1mgと2mg入った2種類の規格が販売されています。
お酒に混ぜる犯罪が相次いだことから、お酒などの飲み物に溶かすと青くなるように改良されています。
そのため見た目も薄っすらと青くなりました。
ロヒプノールは超短時間型のマイスリー(ゾルピデム)や短時間型のレンドルミン(ブロチゾラム)に比べて持続時間が長い「中間型」として位置づけられています。
別の製薬メーカー(エーザイ)から先発品としてサイレースという名前でも販売されています。
ジェネリッック医薬品(後発品)との違い・効かない?
ロヒプノールは値段の安いジェネリック医薬品が販売されています。
フルニトラゼパム+メーカー名の薬剤名で「日本ジェネリック・JG」や「アメル」から販売されています。
有効成分は先発品のロヒプノールと全く同じですが、添加物が異なるため、ジェネリックに切り替えて「効かなくなった・・・」と訴えらえる患者さんが時々います。
特に睡眠薬は思い込みによっても効果が左右されますので
「ジェネリック=効かない」
と思い込んでいる患者さんが効かないと訴える傾向にあります。
まれに発疹がでることがありますが、発疹が出た場合は必ず医師や薬剤師に伝えてください。
効果がでるまでの時間・持続時間
効果がでるまでの時間ですが、ロヒプノール(フルニトラゼパム)は服用して15分~30分で効き始めてきます。
薬を服用して最大血中濃度に達するまでの時間をtmax(ティーマックス)というのですが、ロヒプノール2mgを服用した時のtmaxは0.75時間(45分)となっています。
また薬の濃度が半分に分解されるまでにかかる時間を半減期というのですが、ロヒプノール2mgの半減期は19.2時間となっています。
つまりロヒプノールは服用して15~30分で効果を感じ、45分後くらいに最も効果がでて、その後は緩やかに代謝されるため、6~8時間ほど効果を実感できます。
そのため翌日の朝に眠気やダルさなどが残ることがあります。
依存性・離脱症状
長期に大量に服用した場合、ロヒプノール(フルニトラゼパム)は依存性がでることが報告されています。
ロヒプノールを服用してどうしても眠れない場合、処方された用法以上での服用は避けるようにしてください。
異なる作用機序の睡眠薬がいくつか発売されていますので、ロヒプノールで眠れない場合は他の薬剤への変更や追加となるケースもありますので主治医と相談しましょう。
また長くロヒプノールを服用し、急に減量したり、中止した場合に痙攣発作、震え、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状が現れることがあります。
長期服用していて減量する際は主治医の指導のもと徐々に減らすようにしましょう。
アルコール(お酒)との飲み合わせ
「ロヒプノール服用中にお酒は飲んでも大丈夫?」
患者さんからよく聞かれる質問の一つです。
製薬メーカーの説明書によると、ロヒプノールを服用中はお酒を極力控えるようにとなっています。
アルコールとの飲み合わせ
中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。アルコールとの併用は避けることが望ましい。
引用元 ロヒプノール添付文書
お付き合いの席などで飲む程度であれば問題はないと思いますが、お酒を飲んだ日にロヒプノールを服用すると、ふらつきが強くでたり薬が効きすぎることがありますので、夜間にトイレに行く際など注意するようにしましょう。