お腹にガスが貯まるなどの腹部膨満感、お腹の痛みなどに処方される漢方薬がツムラ大建中湯(読み方:だいけんちゅうとう)です。
特に胃癌や大腸がんの手術の後に出るお腹の張りを解消するために頻繁に処方されます。
ツムラ大建中湯について作用機序、飲み方、副作用などについてまとめてみました。
効能・効果
ツムラ大建中湯の効能・効果は、
腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるもの
となっています。
大建中湯が効くとされるタイプは下記のとおりです。
体力が低下した人で四肢や腹部が冷え、腹痛、腹部膨満、鼓腸のある場合に用いる。
1)腹壁がうすく軟弱無力で腸の蠕動不安を認める場合
2)冷えにより症状の悪化する場合
3)開腹術後の腸管通過障害に伴う腹痛、腹部膨満感
作用機序(メカニズム)
ツムラ大建中湯の作用は主に下記の3つがあるとされています。
・消化管運動促進作用
・腸管血流増加作用
・消化管ホルモン分泌作用
また、動物において、
・消化管運動促進作用
・消化管過剰運動抑制作用
・イレウス改善作用
・腸管血流増加作用
があることが確認されています。
用法・用量(飲み方)
大建中湯の一般的な飲み方ですが、
通常、成人1日15.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
となっています。
1包が2.5gですので、1回2〜3包を2〜3回に分けて服用します。
食前とは?
食事の30分前。
食間とは?
食事と食事の間。食後2時間が目安。
副作用で下痢になる?
頻度不明 | 0.1~5%未満 | 0.1%未満 | |
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過敏症 | 発疹、蕁麻疹等 | ||
肝 臓 | 肝機能異常 (AST(GOT)、ALT (GPT)、Al-P、γ -GTP 等の上昇を含む) | ||
消化器 | 腹痛 | 悪心、下痢 | 腹部膨満、胃部不快感、嘔吐 |
大建中湯には「ニンジン」が含まれているため、0.1%未満の低い確率で「発疹」がでることが報告されています。
大建中湯で一番報告が多い副作用は「下痢・嘔吐」などの消化器症状です。
このような副作用は服用を中止することで改善します。
妊娠・授乳中の副作用
妊婦さんには「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある 婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳中については添付文書に注意書きがなく「授乳を中止することなく服用してもよい」と指導されるケースが多くあります。