生理不順やニキビ、手足のあれの治療に処方される漢方薬がツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁(125番)、読み方は「ケイシブクリョウガンカヨクイニン」です。

ツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁について特徴や薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。

効能・効果・証

ツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁の効能・効果は下記の通りです。

【効能・効果】
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症

月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ

 

【使用目標・証】
体力中等度もしくはそれ以上の人で、のぼせて赤ら顔のことが多く、下腹部に 抵抗・圧痛を訴えるなどの瘀血の症状を認め(桂枝苡苓丸の使用目標)さらに皮膚症状がある場合に用いる。

1)肌のあれ、肝斑、 瘡、疣贅などの皮膚症状を伴う場合
2)頭痛、肩こり、めまい、のぼせ、足の冷えなどを伴う場合
3)無月経、過多月経、月経困難症などの月経異常のある婦人

引用元 ツムラ桂枝茯苓丸加ヨクイニン インタビューフォーム

 

有効成分

ツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁は1日量7.5g中に下記の混合生薬を3.75g含有します。

有効成分構成
日局ヨクイニン10.0g
日局ケイヒ4.0g
日局シャクヤク4.0g
日局トウニン4.0g
日局ブクリョウ4.0g
日局ボタンピ4.0g 

 

ツムラ桂枝茯苓丸(25番)との違い

ツムラ桂枝茯苓丸にヨクイニンを加えたものがツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁です。

名前の通り「加」ヨクイニンですからね。

ツムラ桂枝茯苓丸(25番)は1日量7.5gの中に下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.75g含有し、
ツムラ桂枝茯苓丸加よく苡仁(125番)は1日量7.5g中に下記の混合生薬の乾燥エキス3.75g含有します。

有効成分25番125番
日局ヨクイニン 10.0g
日局ケイヒ3.0g4.0g
日局シャクヤク3.0g4.0g
日局トウニン3.0g4.0g
日局ブクリョウ3.0g4.0g
日局ボタンピ3.0g4.0g

ツムラ桂枝茯苓丸の処方対象の方で、イボや肌荒れ、肝斑といった皮膚症状がある場合にツムラ桂枝茯苓丸加ヨクイニンが処方される傾向にあります。

用法・用量・飲み忘れ時の対応

通常、成人は1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間にお水やぬるま湯で服用します。
食前とは食事の30分前、食間とは食事の2時間後をさします。

飲み忘れの防止のために「食後」で処方されるケースもあります。

飲み忘れた場合は基本は気づいた時に服用することとなっていますが、次回服用から2時間以内の場合は飛ばして次回から正しい量で服用するようにされています。

ただし、主治医から指示がある場合はそちらに従うようにしてください。

副作用

 頻度不明
過敏症発疹、発赤、 痒等
消化器胃部不快感、下痢等  

ツムラ桂枝茯苓丸加ヨクイニン(125番)にはケイヒが含まれているため「発疹」や「発赤」などの皮膚の過敏症状が報告されています。

服用して痒みや赤みがでてきた場合は原則として服用を中止しなければいけませんので、主治医に相談するようにしましょう。

また消化器症状は「ヨクイニン」によるものと考えられます。

妊娠・授乳中の服用

ツムラ桂枝茯苓丸加ヨクイニン(125番)は妊婦さんには「投与しないことが望ましい」とされています。
「トウニン」や「ボタンピ」が早産や流産の危険性を高める可能性があるためです。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
(本剤に含まれるトウニン、ボタンピにより流早産の危険性がある)

引用元 ツムラ桂枝茯苓丸加ヨクイニン インタビューフォーム

授乳中については添付文書に注意書きがなく「授乳を中止することなく服用してもよい」と指導されるケースが多くあります。